日本的な思考は俺の武器――小林祐希が見出した海外で生き残る道とは?

カテゴリ:海外日本人

安藤隆人

2017年02月02日

「『次のシーズン売りたいから、しっかりプレーしてよ』と言われている」

 オランダ・エールディビジは2月1日までに20節を終了し、ヘーレンフェーンは現在ヨーロッパリーグ出場圏内の4位につける。そんなチームでほぼフル出場を続け、ボランチとして不動の地位を得るいま、小林は自身の未来をどう切り開こうとしているのか。
 
「これは理想だから難しいけど、新たな自分を見つけながら楽しんでいきたい。オランダリーグはヨーロッパの中でもレベルは下の方だと思う。でも、ここは『売るため』に選手を獲得して育てている。俺も社長に『次のシーズン売りたいから、しっかりとプレーしてよ』と言われた。『ずっとここにいてほしいけど、ステップアップしたいだろ? だったら良いプレーして行ってくれよ』とね。
 
 こんなにダイレクトに、しかも良い雰囲気で言われる。もちろんそのつもりだけど、ここから上に行くと、勝つために選手を獲るチームとなるので、ちょっとサッカーが変わる。そこからさらに上に行けば、勝つプラス良いサッカーをするになる。
 
 上に行っても、そこからさらに上に行くのが本当に難しい。だからこそ、上のレベルに行って自分の役割に変化があった時にうまく対応できるか。そのためには周りを見て自分を(チーム内に)反映させることをきちんとやっておかないといけない。自分の立ち位置は自分で見ないといけない。自分の立ち位置を把握した上で、発言、行動していかないとただのわがまま、勘違いになってしまいますから」
 
 小林祐希にとって、オランダはステップアップの場所であり、自分自身の生き方を再確認する場所であった。サッカー選手として、人間として、その土台をきちんと構築し、勢いだけでなく地に足をつけて、さらなる高みへと上がっていく。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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