◇細貝 萌（シュツットガルト）
前半戦の採点：60点
今シーズンの成績：ブンデスリーガ２部＝９試合・０得点・０アシスト／DFBカップ＝０試合・０得点・０アシスト
 
　ドイツでの再出発を期したこの前半戦は、怪我に苦しむ半年間となった。
 
　昇格を狙うための即戦力として獲得され、加入後間もない開幕戦からボランチとして起用されるが、２戦目で左ももを痛めて約１か月間の離脱を余儀なくされる。
 
　戦線復帰を果たすと、再び不動のボランチとしてプレーしたが、10月中旬には右足小指を骨折して、またも１か月間、ピッチから遠ざかることに……。これまであまり大きな怪我なくキャリアを歩んできた細貝にとっては、苦しい時間となった。
 
　復帰後は徐々に出場時間を伸ばし、年内最終戦で先発復帰を果たしたが、チームは完敗、自身も前半で交代と悔いの残る終わり方になってしまった。
 
　後半戦ではコンディションを取り戻し、昇格に向けてチームの力になりたいところだ。（山口裕平）
 
 
◇山田 大記（カールスルーエ）
前半戦の採点：70点
今シーズンの成績：ブンデスリーガ２部＝12試合・１得点・１アシスト／DFBカップ＝０試合・０得点・０アシスト
 
　山田にとってカールスルーエでの３シーズン目の前半戦は、変革を求められた。今シーズンは開幕前にオラール前監督が就任。開幕直後は信頼を得られず、２戦目こそ先発で起用されたものの、その後の１か月はベンチにすら入ることができなかった。
 
　しかし、チームが下位に低迷したことで再び山田にチャンスが巡ってくると、先発復帰戦でチームはシーズン初勝利を挙げる。この頃から、試合展開によってはボランチとしてプレーするようになり、４位ヴュルツブルクとの一戦では『キッカー』誌からマン・オブ・ザ・マッチに選出された。
 
　その後は、ボランチで先発に定着。チームの調子は上がらなかったが、年内最終戦で首位ブラウンシュバイクとドローを演じ、山田は再びマン・オブ・ザ・マッチに選出されている。（山口裕平）
 

◇小林 祐希（ヘーレンフェーン）
前半戦の採点：80点
今シーズン成績：エールディビジ＝13試合・１得点・０アシスト／KNVBカップ＝３試合・０得点・０アシスト
 
　８月半ばに「無名の日本人MF」としてヘーレンフェーンに加入したが、デビュー２戦目から12試合連続でフル出場。質の高いパスと優れた戦術眼を披露して、チームの４位躍進に貢献した。
 
　ギラギラとした上昇志向と、チームへの献身性の強いキャラクターは大手メディアでも頻繁に紹介され、「Yuki Kobayashi」の名前はこの４か月間で瞬く間にオランダ全土に知れ渡った。
 
　欧州１年目の前半戦を「かなりプレーの質が上がってきたと感じています」と振り返ったように、小林自身もレベルアップの手応えを掴んでいる。
 
　本人の意識はあくまでもボランチ。しかし、12月に入ってストレッペン監督から「もっと攻撃に絡んで欲しい」という要求を受けると、シュートを狙う意識が高まり、実際に15節のゴアヘッド戦では初ゴールを記録した。
 
　今や「ヘーレンフェーンの攻守の要」と呼ぶに相応しい存在感を放っている。（中田徹）