【ミラン番記者】本田圭佑がドーハで「チームの顔」のような扱いを…

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2016年12月30日

2016年の本田、上半期は「明」で下半期は「暗」。

カップを受け取った直後の記念撮影でも、本田は控えめに右隅に立っていた。写真:Alberto LINGRIA

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 とにかくミランは、久々のタイトルを手に入れた。その前にミランが勝ち取ったものは、やはり同様にイタリア・スーパーカップ。しかし5年半も昔のことであり、その間をミラニスタは永遠のように長く感じたことだろう。
 
 本田には承服できない部分もあるかもしれないが、ミランは選手たち、そして何よりモンテッラの手腕のおかげでタイトルを獲得できたと言っていい。
 
 モンテッラは前任者たちが成し得なかった偉業を、ほぼ同じ選手たちを使って達成したからだ。18歳のマヌエル・ロカテッリや23歳のスソなど才能ある若手を主力に抜擢し、チームにアイデンティティーを与えてクオリティーを上げ、メンタリティーを恐怖から自信に変え、ミランをヨーロッパカップ戦の出場圏内にまで持ち上げた(18節終了現在で1試合未消化ながらヨーロッパリーグ出場圏内の5位)。素晴らしい仕事をしたと誰もが認めざるをえないだろう。
 
 ミランの2016年は、前半と後半とで大きく異なった。前半はシニシャ・ミハイロビッチ(現トリノ監督)があと少しでヨーロッパリーグというところまでチームを引き上げながらも、途中登板された後任のクリスティアン・ブロッキ(現ブレッシャ監督)はそれを死守できなかった。ミハイロビッチ解任が大きな過ちだったのは明らかだ。
 
 そして本田はこの時も――まるで冗談のようだが――チームの状況と反比例している。なぜなら昨シーズン中盤から後半の本田は、ほとんどの試合で欠かすことのないレギュラーとしてプレーしているのだ。
 
 しかし、モンテッラを新たなボスに迎えた今シーズンに入ってミランは復活し、本田は闇の中に消えていった。
 
 ミランの上半期が「暗」で下半期が「明」であるなら、本田の上半期は「明」で下半期は「暗」。まさに真逆なのだ。
 
 1月1日には冬の移籍市場が正式オープンする。本田にはプレミアリーグ(サンダーランド)、中国、そしてアメリカへの移籍話が浮上しているが、いまだ具体的な交渉の話は入ってきていない。はたしてどうなるか。まだ去就は不透明なままだ。
 
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
 
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
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