【ミラン番記者】本田圭佑がドーハで「チームの顔」のような扱いを…

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2016年12月30日

まるで「ミランの顔」のような扱いで…。

スタジアム内外のパネルには、ミラン側に本田の姿があった。写真:Marco PASOTTO

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 お祭り騒ぎのピッチから去る本田に気がついたのは、数人のスタジアム・スタッフだけだった。彼らはサインを求め、本田はそれに快く応えていた。
 
 これもまた、象徴的な場面だ。ミランでは多くの困難に遭っている本田だが、国外における彼の人気は依然として高い。「ケイスケ・ホンダ」という名前は、今だ世界中のサッカーファンを惹きつける力を持っている。夏の米国ツアーと同じく、中東でも彼は人気者だった。
 
 それを証明するかのようなエピソードが、もう一つある。ドーハの街中には今回のビッグマッチを宣伝するポスターが至る所に張られており、試合会場となったジャシム・ビン・ハマド・スタジアムの内外には大きなパネルも置かれていた。
 
 パネルはミラン・サイドとユーベ・サイドに分かれており、それぞれのスローガンと共に(ミランのスローガンは「The clash of campioni」)、チームを代表する4選手の写真がデザインされていた。
 
 ミランの4人は、ジャンルイジ・ドンナルンマ、イニャツィオ・アバーテ、カルロス・バッカ、そして本田。つまり若手のホープ、キャプテン(本来の主将であるリッカルド・モントリーボは故障で長期離脱中)、エースストライカー、そして国際的知名度の高いインターナショナルな男というわけだ。
 
 ただ問題は、スーパーカップでもスタメンだった他の3人が中心選手であるのに対して、本田だけが完全なバックアッパーだということだ。4人の中の比較だけでなく、チーム全体で見ても出場時間の最も少ない選手の一人にもかかわらず、本田はこのビッグマッチにおける「ミランの顔」のような扱われ方をしていたのだ。
 
 ただ、これをもって本田を「控えのくせに傲慢だ」と責めるのはもちろんお門違い。責任を追及すべきは、人選を決めたクラブだからだ。
 
 新聞やTV局を傘下に収め、メディア王として名を馳せたシルビオ・ベルルスコーニがオーナーを務めるミランは、イタリアの中でも極めて話題性を重要視しており、選手獲得の際に戦力的価値と同じくらい知名度も考慮に入れる。
 
 2014年1月の本田獲得はそれを如実に物語るものだが、さすがに今回のパネル人選は時流を無視しすぎだ。内定しているはずの中国資本への株式売却正式決定が延期を繰り返し、クラブ内がどれだけ混乱しているかを象徴する出来事だと言える。
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