【プリンス関東参入戦】王者たちが繰り広げた死闘。そこに“単なる敗者”はいなかった

カテゴリ:高校・ユース・その他

川端暁彦

2016年12月26日

後輩たちに引き継がれるプライドと悔恨の念

延長戦終了間際の決勝点に喜びを爆発させる千葉U-18イレブン。写真:川端暁彦

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千葉U-18とともに昇格を決めたのが鹿島学園。この余勢を駆って選手権でも輝きを放つか。写真:川端暁彦

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 フィジカル能力に優れた前線のFW古川大悟(2年)にハイボールをぶつけつつ、ロングスローも駆使しながら、高さのある選手が少ない昌平に肉体的な圧力を掛けていく。昌平も針谷のゲームメイクをベースに、松本がトップ下で巧みにボールを受けてチャンスを作るが、ペナルティーエリアの中では千葉のDFが徹底して身体を張ってゴールを割らせない。どこか淡泊だった過去のチームとは確実に違う姿がそこにはあった。
 
 0-0のまま推移した試合は延長戦に入っても動かない。両者に決定機があり、その数をカウントすれば昌平に分があったかもしれないが、スコアは変わらない。そして迎えた延長戦後半、その終了間際だった。
 
「いままでだったら『PKかな』という感じになっていたと思うけれど、今日は最後まで強気で点を取りにいけた」(竹嶋)
 
 FKからゴール前に送られたボールは跳ね返されるが、これを拾って再度の放り込み。ここから2度の空中戦を制する形で、竹嶋の決勝ゴールが生まれた。決して華麗ではないが、「ジェフに欠けていたもの」(江尻監督)が詰まったような得点で、千葉U-18が悲願だったプリンスリーグへの参入を掴み取ったのだ。
 
 2017年度のプリンスリーグ関東参入チームを決める戦いは終わった。もうひとつの山を制した鹿島学園と千葉U-18が来季、関東の頂点を決める戦いに臨む。ただ、敗れた6チームも単なる敗者ではないことを、最後にあらためて言及しておきたい。日大藤沢・佐藤監督は大会が始まる前にこう言っていた。
 
「(参入戦が)どんな結果になろうと、(リーグチャンピオンになったことは)1年間に渡って彼らが頑張った成果。そのことは忘れないであげたい」
 
 昨年の千葉U-18がそうだったように、リーグチャンピオンになったプライドと敗れ去った悔恨の念、そのふたつが、後を継ぐ後輩たちに引き継がれていくのだ。
 
 
取材・文・写真:川端暁彦(フリーライター)
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