イカルディ依存の攻撃陣ではガビゴールの活用が求められる。
以上が、断片的な情報を総合したピオーリ招聘決定までの経緯となる。イタリア国内でのクラブOBを含めたご意見番の反応は、明らかに肯定的だ。今回の「常識的な選択」(マッシモ・モラッティ前会長)への異論は、皆無と言っていい。
18年6月まで1年7か月の契約を結んだピオーリに求められるのは、まずは欧州カップ戦の出場権獲得だろう。セリエA12節終了現在で、インテルの勝点は17だ。勝点30の首位ユベントスははるか彼方だが、CL出場圏内の3位(勝点25のミラン)とは勝点8差、ヨーロッパリーグ出場圏内の5位(勝点22のラツィオとアタランタが4位タイ)とは勝点5差にすぎない。
攻守のバランスが取れた組織構築に定評のあるピオーリだが、途中就任の今シーズンは同様に高く評価される柔軟な対応力を即座に発揮できるかが、とりわけ成否を分けそうだ。セリエAとヨーロッパリーグの合計で5勝2分け7敗に終わったデブールに欠けていたひとつが、対戦相手に応じて戦い方を変えられるその柔軟性だった。
勝敗に直結する大きな課題は、セリエAでは全16ゴール中10ゴールを1人で決めているマウロ・イカルディ依存症の改善だろう。ゴール数とは裏腹に周囲との連携は噛み合わないままで、とりわけ数え切れないクロスが無駄になっている。ピオーリはラツィオでの監督1年目に前年の54ゴールを71ゴールまで伸ばしており、劇的に増えたのが中盤の選手のゴールだった。
その14-15シーズンにピオーリの下でブレイクを遂げたのが、当時21歳のフェリペ・アンデルソン。同じブラジル人のアタッカーで、デブール政権下では冷遇された20歳のガビゴールことガブリエウの活用も、この逸材の獲得に巨額を投じている中国資本の望みだろう。
ピオーリの初陣は11月20日、セリエA13節のミラン戦だ。その後はグループステージの勝ち抜けが絶望的になったELの2試合を挟み、フィオレンティーナ戦、ナポリ戦、ジェノア戦、サッスオーロ戦、そしてラツィオ戦と続く。いきなりのダービーマッチからピオーリの古巣との対戦まで、容易ならざる年内の戦いをまずは乗り切れるかだ。
文:手嶋真彦
18年6月まで1年7か月の契約を結んだピオーリに求められるのは、まずは欧州カップ戦の出場権獲得だろう。セリエA12節終了現在で、インテルの勝点は17だ。勝点30の首位ユベントスははるか彼方だが、CL出場圏内の3位(勝点25のミラン)とは勝点8差、ヨーロッパリーグ出場圏内の5位(勝点22のラツィオとアタランタが4位タイ)とは勝点5差にすぎない。
攻守のバランスが取れた組織構築に定評のあるピオーリだが、途中就任の今シーズンは同様に高く評価される柔軟な対応力を即座に発揮できるかが、とりわけ成否を分けそうだ。セリエAとヨーロッパリーグの合計で5勝2分け7敗に終わったデブールに欠けていたひとつが、対戦相手に応じて戦い方を変えられるその柔軟性だった。
勝敗に直結する大きな課題は、セリエAでは全16ゴール中10ゴールを1人で決めているマウロ・イカルディ依存症の改善だろう。ゴール数とは裏腹に周囲との連携は噛み合わないままで、とりわけ数え切れないクロスが無駄になっている。ピオーリはラツィオでの監督1年目に前年の54ゴールを71ゴールまで伸ばしており、劇的に増えたのが中盤の選手のゴールだった。
その14-15シーズンにピオーリの下でブレイクを遂げたのが、当時21歳のフェリペ・アンデルソン。同じブラジル人のアタッカーで、デブール政権下では冷遇された20歳のガビゴールことガブリエウの活用も、この逸材の獲得に巨額を投じている中国資本の望みだろう。
ピオーリの初陣は11月20日、セリエA13節のミラン戦だ。その後はグループステージの勝ち抜けが絶望的になったELの2試合を挟み、フィオレンティーナ戦、ナポリ戦、ジェノア戦、サッスオーロ戦、そしてラツィオ戦と続く。いきなりのダービーマッチからピオーリの古巣との対戦まで、容易ならざる年内の戦いをまずは乗り切れるかだ。
文:手嶋真彦