名古屋はなぜ降格したのか。迷走を招いた小倉体制の真実

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2016年11月05日

辞任を表明した久米社長。GMとして数々の補強を先導してきた辣腕がいなくなることで、今後の選手たちとの契約交渉は困難を極めるだろう。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 問われるべきは監督交代の時期を残り8試合というギリギリのタイミングまで遅らせてしまったフロントの判断であり、ひいては小倉体制を正しい道に導けなかったプレシーズンの見通しの甘さにある。
 
「もう少し早くボスコさんが監督になっていれば」とはシーズン終盤、複数の選手が口を揃えた悔恨の念だ。もちろん、ピッチで結果を残せなかった選手に責任の大半はある。指揮系統の混乱があったとしても、ピッチ上の闘争に打ち勝つ気概を見せられなかった18試合は大きな反省点だ。

 この期間にあとひとつでも勝点を重ねていれば残留はできていた。勝負にたられば、は禁物だが、それにしても無駄にした試合の数は多すぎる。
 
 チームにはさらなる激震が走っている。最終節翌日の11月4日、降格の責任を取る形で久米社長が辞任をトヨタ自動車本社に申し入れ、佐々木眞一副会長がこれを受理。承認手続きは今後のことになるが、「本日をもって辞任となりました」と既に決定事項であると久米社長自身が認識しており、チームは大きな転換期を迎えることになった。
 
 GMとして数々の補強を先導してきた辣腕がいなくなることで、今後の選手たちとの契約交渉は困難を極めることは必至。1年でのJ1復帰にはまず戦力維持が不可欠となるが、その雲行きも怪しくなってきた。
 
 ゆえに今、名古屋に求められるのは、フロント新体制の一刻も早い人選と確定、そして来季以降の明確なプラン策定にある。戦力を維持し、激戦のJ2を戦い抜く陣容を作り上げ、その後のビジョンをクリアに描く。それができなければ名古屋には混迷の未来が待っている。
 
取材・文:今井雄一朗(フリーライター)
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