「（アジア最終予選の）経験自体は前回のブラジル大会も、前々回の南アフリカもあるので、それが必要になれば力になりたいという気持ちはいつでも持っています。ワールドカップ予選は総力戦なので、同じ23人だけでは、そのままいかないと思うし、その時に調子の良い選手、怪我をする選手ももしかしたら出てくるかもしれない。みんなで予選突破に向けてやらないといけない。ただそこのメンバーには入らないと、そういう話もできない。そういう意味では、一歩前進したと思っている」
 
　2013年６月で止まった中村憲剛の日本代表の時間は、果たして再び動き出すのか。
　本人は「まだ入ってないけど」と前置きした上で、「でも、今まではそこにすら入ってなかった。ずっと圏外だと思っていたから…急にきたね」と噛み締めるが、いつまでもそこに浸っているわけではない。週末にはリーグの柏戦が控えているからだ。
 
「今年のプレーを評価されていると思っているし、変わらず頑張ります」
 
　止まっていた時間を動かすために。中村憲剛は、目の前の柏戦に全力を尽くす。
 
取材・文：いしかわごう（フリーライター）