中国人オーナー誕生ならアジア市場拡大の欠かせない存在に。
それもあって本田は先日、イタリア人の仲介役である代理人ファブリツィオ・デ・ヴェッキと話し合い、その後にアドリアーノ・ガッリアーニ副会長とも直接話ができるよう申し入れている。たしかに、ミランのチーム編成を一手に担う彼と話せば、今のミランが何を考えているか多少なりとも分かるだろうし、身の振り方を決めるうえで大きな判断材料になるだろう。
とはいえ、基本的にミラン側には、本田を手放す意思は一切ない。前記した通り、一定レベルのパフォーマンスは保証するし、チームへの献身は高く評価しているからだ。
一部メディアはイングランドやドイツへの移籍話をぶち上げているが、ガッリアーニの気持ちを変えうるような魅力的なオファーは、現時点でどこからも届いていない。
また、本田を繋ぎとめておきたいもうひとつの大きな理由が、オーナーの交代だ。ミランは8月5日、中国資本にクラブ株式の99.93%を譲渡することで仮契約。同じ状況で結局は破談になった昨年のタイ資本の例もあるだけに、最終契約まで予断を許さないが、このままいけば年内にもミランは中国人たちの手に渡る。
当然ながら彼らはアジアでのミラン・ブランドの拡大を画策しており、その観点において現役のアジア人選手の中で屈指の知名度を誇る本田は、極めて重要な存在だ。
しかし、このマーケティング面は本田のミランにおける価値のメインでは決してない。この3年半、本田はピッチで全力を尽くし、常にグループの一員としてチームに貢献してきた。例え夏の初めには、二番手、三番手の存在だったとしても、だ。新シーズンもここから這い上がっても、何ら不思議はない。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
とはいえ、基本的にミラン側には、本田を手放す意思は一切ない。前記した通り、一定レベルのパフォーマンスは保証するし、チームへの献身は高く評価しているからだ。
一部メディアはイングランドやドイツへの移籍話をぶち上げているが、ガッリアーニの気持ちを変えうるような魅力的なオファーは、現時点でどこからも届いていない。
また、本田を繋ぎとめておきたいもうひとつの大きな理由が、オーナーの交代だ。ミランは8月5日、中国資本にクラブ株式の99.93%を譲渡することで仮契約。同じ状況で結局は破談になった昨年のタイ資本の例もあるだけに、最終契約まで予断を許さないが、このままいけば年内にもミランは中国人たちの手に渡る。
当然ながら彼らはアジアでのミラン・ブランドの拡大を画策しており、その観点において現役のアジア人選手の中で屈指の知名度を誇る本田は、極めて重要な存在だ。
しかし、このマーケティング面は本田のミランにおける価値のメインでは決してない。この3年半、本田はピッチで全力を尽くし、常にグループの一員としてチームに貢献してきた。例え夏の初めには、二番手、三番手の存在だったとしても、だ。新シーズンもここから這い上がっても、何ら不思議はない。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。