確かな手応えを感じている中村は、チームの現状を「らしくない」と冗談交じりに語る。
 
「俺は長くフロンターレにいるからあれだけど、こんなに安定感があるのは、らしくない（笑）。今年に関しては、それをすごく感じる。選手たちが自分の役割を分かっていて、みんな堂々とやっているし、多少ミスしても次、次という感じだった」
 
　そして、チームの成長している部分を、ミス後の姿勢に見るのである。
 
「ダメなプレーをしても、また（ボールを）ちょうだいという選手が増えてきた。それはすごく大きくて、ダメでそのまま外れちゃうと、ゲームの中でそのままフェードアウトしちゃう。今日はミスしてもみんながトライしたし、その姿勢が押し込む要因のひとつ」
 
　不在の大島について問われると、「恐がらずに顔を出すことと、守備でボールを取り切れるところは凄い。特にボールを取り切る力は、俺にない」と称賛。さらにこう続ける。
 
「ボランチを俺がやるのと、アイツがやるのでは違う。それぐらい存在感が出ている。あいつがあれだけやるから、俺も前に出られる」
 
　多少のリップサービスも含まれ、「俺がボランチをやれと言われても、それなりにはできますけど」と謙遜しつつも、大島不在の数試合について展望する。
 
「今を時めく大島さんだから（笑）。まぁそこは全然、色が違うから。僚太がいれば、もちろんチームにとっていいけど、今はいないから、この形で勝つしかない」