青山直晃はなぜタイへ渡ったのか? そこで体感した練習スタイル、待遇面のギャップとは

カテゴリ:海外日本人

佐々木裕介

2016年07月09日

「いまもらっている金額は、日本ではなかなかもらえるレベルではない」

――話は変わりますが、プレミアリーグ初制覇を果たし世界を騒がせたレスターシティFCが先月、優勝祝賀ツアーでオーナーの出身地であるタイを訪れました。清水で同期だった岡崎慎司選手と「タイでの再会」は果たされたのですか?
 
「彼がタイへ来るということで事前に連絡は取っていたのですが、私がキャンプ中で会えなかったんです。でも彼がタイメディアに向けて『青山とは仲が良いんだよ』とコメントしてくれたことで、タイ国内での私の知名度がグンと上がりました。『岡崎、ありがとう!』ですよね(笑)。 一緒に清水でプレーしていた時は、ポジションは違えど同期としてライバル意識は持っていましたし、練習ではFWとDFとして勝負していたので、お互いが切磋琢磨して成長していった思い出は持っています」
 
――ではタイの国内リーグについて聞かせてください。「ビッグ3(ムアントン・U、ブリーラム・ユナイテッド、チョンブリFC)」主導でリーグが動いていた時代から、最近ではニューパワーの台頭もありパワーバランスが変わりつつあります。その辺りを踏まえタイ国内リーグの現状をお聞かせいただけますか?
 
「昨シーズンまではACLの常連となったブリーラム・Uが断トツに強くて、その背中をムアントンが追い掛ける流れでしたが、今年はいろんなチームが力を付けてきていて、名前だけで必ず勝てる状況ではなくなってきています。ウチに限って言えば、昨シーズンまでは対等にぶつかってきたチームが多かったのですが、今シーズンは守備を固めて構えられる、守ってカウンターで攻める戦術を取ってくるチームが多くなってしまったんです。なので、引いたチームをどう崩していくかが、いまの私たちの課題になっています」
 
――スター選手を多く抱えるチームの宿命でしょう。そんなムアントン・Uですが、今年はピッチ内外において「王者奪還」への凄まじい迫力を感じます。チーム内の雰囲気はどうですか?
 
「なんせ今年はお金を掛けていますよね(笑)。こんなことがあって良いのか? と思うくらいにウチのチームへ多くのタイ代表選手が集まっていて、こんな状況は日本では考えられないですし、余計に勝たなければいけないと感じています」
 
――ムアントン・Uとの契約はいつまでですか?
 
「今年が2年契約の最終年です。チームからは非公式ながら来シーズンもプレーして欲しいとは言われていますが契約までは至っていません」
 
――待遇の面において、Jリーグと比較していかがでしょうか?
 
「自分に限って言えば、正直、日本よりもタイのほうが断然良いです。いまもらっている金額は、日本ではなかなかもらえるレベルではないと思います。車もクラブが用意してくれていますし、家賃補償もある、一緒に来てくれている家族もまったく不満は持っていません。この環境を与えてくれているクラブに感謝しています」
 
――今シーズン開幕前にはタイサッカー協会会長選挙の影響等によって大幅なスケジュール変更がありました。また毎年代表チームとの兼ね合い等で中断が何度もあります。調整が難しいことなどありませんか?
 
「確かに中断期間もたびたびありますが、今年は昨年に比べて練習内容が落ち着いたこともあってコンディション調整もうまくできています。またウチのチームは代表選手が多くいるので、戻ってきた選手のリカバリーも含めてコーチングスタッフはしっかりと考えてくれていますよ」

後編(青山直晃が語るタイサッカーの意外な実力)に続く。

<プロフィール>
青山 直晃 (あおやま なおあき)
1986年7月18日生まれ、愛知県一宮市出身。高校サッカーの名門、前橋育英高卒業後の2005年に清水エスパルスに入団。11年からは横浜F・マリノスで、13年にはヴァンフォーレ甲府へ移籍。15年にタイの強豪クラブであるムアントン・ユナイテッドへ移籍、不動のセンターバックとして奮闘している。代表経歴は、07年のアジアカップ予選日本代表、08年北京五輪アジア予選U-22日本代表。

<取材協力>
【余市 Yoichi Nikka Bar & Restaurant】
NIKKAの故郷・北海道で愛されるニッカバー海外旗艦店。なんとも贅沢な時間を提供してくれる「バンコク駐在員の隠れ家」的バー。タイ・バンコクで北海道フードを摘まみながらハイボールを嗜むことが出来る。
www.facebook.com/yoichi.nikkabar.restaurant/

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