宇佐美貴史、柴崎岳、小林祐希、宮市亮――プラチナ世代に迫る”ラストチャンス”

カテゴリ:日本代表

加部 究

2016年06月15日

プラチナ世代は24歳。国際的標準に照らせば若手ではない。

現状でA代表に定着したと言えるのは宇佐美(左)と武藤(右)のみ。ロシアW杯までに彼らに続く者は現われるか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 いずれにしてもワールドカップ終了後という節目で代表監督に就任したアギーレは、時間的な余裕もあり、当初から大胆な実験を試みた。
 
 しかし約1年間で頓挫し、新任のヴァイッド・ハリルホジッチ監督はワールドカップ予選を過剰に意識したのか、結果優先の堅実路線を通した。基盤はブラジル・ワールドカップ時を継承したので、気がつけばチームを牽引してきた長谷部誠が32歳になり、本田圭佑も三十路を迎えるという現実に直面する。
 
 そこで今回のキリンカップでは、プラチナ世代から常連の宇佐美に続き、昌子を再度招集し、新しく小林と大島僚太(93年早生まれ)を加えた。
 
 だが過去の流れを見ても、この大会は新鮮なメンバーの登竜門でもある。小林、大島ともにリーグ戦では好調なプレーを見せていたが、引き上げる判断も迅速で、さらに下の世代から浅野拓磨や遠藤航を選んでいることからも、試行錯誤の始まりという印象が否めない。
 
 常識的には、ブラジルで敗れたメンバーが4つ年齢を重ねただけで結果を望めるほど世界は甘くない。当然それを知ち悉しつするハリルホジッチ監督の焦燥は、メディアもファンも共有していたから、閉塞状況を打破する新しいスターを待ち望んでいた。

 レフティ、ビッグマウス、4番……。本田と3つの共通項を持つ小林が浮上してきたのは、ちょうどそんなタイミングだった。それが過剰な喧騒の背景である。
 
 新星の微光を見つけた途端に、吟味なく無責任に煽る。かつてフィリップ・トルシエ元代表監督が批判し続けた日本の「スターシステム」の実態である。
 
 プラチナ世代は、今年24歳になる。国際的標準に照らしても決して若手ではない。
 
 だが現状で日本代表に定着したと言えるのは宇佐美と武藤だけで、依然として実績、実力ともに北京世代を超えられていない。これは数年前には想像し難い事態だった。
 
 北京世代とプラチナ世代を比べれば、資質は後者のほうが上回り、だからこそ若年代から際立ったパフォーマンスを見せてきた。
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