協賛企業同士が繋がりを深めて価値を共創
井川が意を決しKPMGコンサルティングという新天地を求めたのは、日本のスポーツ産業を異なる次元に発展させるという強い志を持ち、そのための道を切り開こうとしている人物たちとの出会いが大きかった。井川の採用時に面接官となり、そのまま直属の上司となったソーシャルバリュークリエーション(SVC)ディレクター笹木亮佑、そのSVCを含めたビジネスイノベーションユニットを統轄している執行役員パートナーの佐渡誠、そして代表取締役社長兼CEOの宮原正弘である。
笹木は高校時代まで本気でサッカーに打ち込み、国内外を問わない大のサッカーフリークで、佐渡は神奈川県横浜市内の少年サッカーチーム「あざみ野キッカーズ」で長年代表を務めている。宮原はJリーグ前チェアマンの村井満と同じ埼玉県立浦和高校サッカー部のOBで、ポジションも村井と同じGKだった。井川が転職を決めたのは、次のような思いや願いを共有できるとわかったからだ。
「日本再興戦略のアジェンダにもあるように、スポーツビジネスにイノベーションを起こして、日本でもスポーツをうまく活用できれば、アメリカやヨーロッパと同じようにそのマーケットをもっと大きくできる。それを実現できれば、この国の人々をもっと幸せにできるはずだ」
KPMGコンサルティングは「価値共創プラットフォーム」という、スポーツビジネスのイノベーションを見据え、笹木たちが中心となって開発したソリューションをすでにベルマーレに知見提供し、支援している。ベルマーレとその協賛企業だけがログインできるインターネット上のバーチャルなコミュニティで、協賛企業同士が繋がりを深め、価値を共創していくのが大きな狙いだ。
前述したお仕事紹介フェアも出展企業が一定数以上に増えれば、それだけイベントの価値も大きくなる。こうした仕組みを練り上げ、改善していくために、笹木たちがどれだけ心血を注いできたか、遅れて仲間になった井川は感じずにはいられない。だからこそ、語る言葉も、熱を帯びる。
笹木は高校時代まで本気でサッカーに打ち込み、国内外を問わない大のサッカーフリークで、佐渡は神奈川県横浜市内の少年サッカーチーム「あざみ野キッカーズ」で長年代表を務めている。宮原はJリーグ前チェアマンの村井満と同じ埼玉県立浦和高校サッカー部のOBで、ポジションも村井と同じGKだった。井川が転職を決めたのは、次のような思いや願いを共有できるとわかったからだ。
「日本再興戦略のアジェンダにもあるように、スポーツビジネスにイノベーションを起こして、日本でもスポーツをうまく活用できれば、アメリカやヨーロッパと同じようにそのマーケットをもっと大きくできる。それを実現できれば、この国の人々をもっと幸せにできるはずだ」
KPMGコンサルティングは「価値共創プラットフォーム」という、スポーツビジネスのイノベーションを見据え、笹木たちが中心となって開発したソリューションをすでにベルマーレに知見提供し、支援している。ベルマーレとその協賛企業だけがログインできるインターネット上のバーチャルなコミュニティで、協賛企業同士が繋がりを深め、価値を共創していくのが大きな狙いだ。
前述したお仕事紹介フェアも出展企業が一定数以上に増えれば、それだけイベントの価値も大きくなる。こうした仕組みを練り上げ、改善していくために、笹木たちがどれだけ心血を注いできたか、遅れて仲間になった井川は感じずにはいられない。だからこそ、語る言葉も、熱を帯びる。
「ベルマーレの協賛企業だけが参加できるコミュニティですから、それだけ安心感は高いですし、スポーツクラブがハブになるというだけで、心の垣根もすぐになくなります。価値共創のアイデアを膨らませ、実現していくマッチングの場として多くの企業に活用してほしいです」
◇
「2050年までにワールドカップ優勝」という、JFAが掲げるマイルストーンを井川は強く意識し、自分はビジネスサイドでその偉業に貢献するという人生の目標を立ててきた。その目標を持ったまま、あえてサッカー界の外に飛び出したのは、「ひとつの同じクラブに留まりつづければ、ワールドカップ制覇に貢献するのが難しくなるかもしれない」と感じるようになっていたからだ。
コンサルティングの世界で「スポーツにおカネを集めるための武器を身につける」ことができれば、グラスルーツという裾野の充実にも力を入れられるようになると井川は考える。
「Jクラブのアカデミーやスクールに入団できる子どもの数は限られていますよね。それでも多くの子どもたちがサッカーを始めて、続けていけるのは、各地域の少年団などが地道に活動しているおかげです。手弁当でその担い手となり、日本のサッカー界を支えている大人たちが、心置きなくその取り組みを続けていきやすくなるように――」
そう語りながら井川は、長年に渡りボランティアで少年サッカーチームの代表を務めている佐渡の姿を思い浮かべていたに違いない。スポーツ産業がもっと稼いでいけるように、コンサルティングの世界でそのための力を身につけたいと井川ががむしゃらに奮闘するのは、サッカー日本代表のワールドカップ制覇という人生の目標に、日本のスポーツビジネスのマーケット拡大が絶対不可欠だと信じているからだ。(文中敬称略)
取材・文●手嶋真彦(スポーツライター)
※サッカーダイジェスト2024年3月号から転載
【記事】「俺はもうサッカーは一切見ない」中田英寿が指摘する現代フットボールの問題点「分かっていない人が多い」
【記事】「アイデアが豊富で大好き」「ワクワクする」“天才”小野伸二が絶賛した22歳のJリーガーは?「最近、そういう選手は見なくなった」
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「2050年までにワールドカップ優勝」という、JFAが掲げるマイルストーンを井川は強く意識し、自分はビジネスサイドでその偉業に貢献するという人生の目標を立ててきた。その目標を持ったまま、あえてサッカー界の外に飛び出したのは、「ひとつの同じクラブに留まりつづければ、ワールドカップ制覇に貢献するのが難しくなるかもしれない」と感じるようになっていたからだ。
コンサルティングの世界で「スポーツにおカネを集めるための武器を身につける」ことができれば、グラスルーツという裾野の充実にも力を入れられるようになると井川は考える。
「Jクラブのアカデミーやスクールに入団できる子どもの数は限られていますよね。それでも多くの子どもたちがサッカーを始めて、続けていけるのは、各地域の少年団などが地道に活動しているおかげです。手弁当でその担い手となり、日本のサッカー界を支えている大人たちが、心置きなくその取り組みを続けていきやすくなるように――」
そう語りながら井川は、長年に渡りボランティアで少年サッカーチームの代表を務めている佐渡の姿を思い浮かべていたに違いない。スポーツ産業がもっと稼いでいけるように、コンサルティングの世界でそのための力を身につけたいと井川ががむしゃらに奮闘するのは、サッカー日本代表のワールドカップ制覇という人生の目標に、日本のスポーツビジネスのマーケット拡大が絶対不可欠だと信じているからだ。(文中敬称略)
取材・文●手嶋真彦(スポーツライター)
※サッカーダイジェスト2024年3月号から転載
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