残留争いへと戻らないために…。J1王者から多くを学ぶべき。
では、1点差とした段階で、試合を落ち着ける選択肢はなかったのか。「(1-5という)点差を縮めることはできたかもしれない。1-2になって“引く”選択肢はあった。でも、それを選んでいたら前半と同じ展開になってしまった可能性が高いし、“勝ち”はなかった」(横山)。つまり、J1王者相手に「引き分けで良し」とするのではなく、あくまでも勝点3を求めたのだ。
ホームであったし、14シーズンの悪くない印象もあったのかもしれない。そして勝利を求める貪欲さと心意気は買いたい。だが、素直には頷けない。奥井が「(後半は)3点目を取られるまで悪くなかった」と言うように、流れは明らかに大宮に分があった。前述のとおり、横谷のゴールを含めて決定機が4つ。だが、ここでバランスを再度整えてこそのゲームコントロール術ではないのか。
まだリードを許しているのだから、「ずっと自陣に引きこもってカウンターをしろ」と言うのではない。それは“大宮スタイル”からも反すること。それでも、残り時間は30分もあった。前にボールを運べており、ラインをプッシュアップしながら、均衡を保ったコンパクトな布陣を敷くことが第一優先となるべきだった。
「前掛かりに突っ込み過ぎて、攻撃に偏っていた」(渋谷監督)のは明確な反省材料だ。「前からプレスするところと、リトリートするところ。これを上手く使い分けられれば……」(塩田)の言葉は、まさに今の課題を表わしている。
繰り返すが、Jリーグ開幕から4試合で昨季の4位以内のチームと3試合を戦った。もし2勝1分1敗の勝点7で乗り切れていたら、上々と言って過言ではない。勝点1の大切さは、降格時に嫌というほど味わったはず(15位だった清水と勝点1差で降格圏に沈む)。さらにFC東京戦と柏戦は「割り切り」(菊地)で勝利を手繰り寄せている。だからこそ、『3失点目だけはしない』と割り切って欲しかった。
今回の敗戦で3位から10位、ふた桁順位へと急降下した。「J1の質を痛感したゲーム」(渋谷監督)だったと全員が思えたはず。そして、「1-5という試合をしていては、また“残留争い”をしてしまう」(渋谷監督)のも、全員が改めて共有しただろう。2勝1分1敗の勝点7ではなく、2勝2敗の勝点6にとどまったが、「それでも良かった」のだと、この先で感じられる価値ある試合にできるかどうか。
攻撃面でも、守備面でも、修正点は多い。なによりも、強者のゲームコントロールは学ぶべき点になる。ナビスコカップを挟んで、次のリーグ戦は4月2日。昨季に鎬を削った磐田とホームで対戦する。J2王者の大宮に、J1王者の広島が突き付けた様々な宿題をどれだけ消化できるのか。決して失望だけではなかった大敗という“授業”を復習して、ぜひ次戦では活かす姿を披露して欲しい。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
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大宮→ http://www.soccerdigestweb.com/tag_list/tag_search=1&tag_id=150
ホームであったし、14シーズンの悪くない印象もあったのかもしれない。そして勝利を求める貪欲さと心意気は買いたい。だが、素直には頷けない。奥井が「(後半は)3点目を取られるまで悪くなかった」と言うように、流れは明らかに大宮に分があった。前述のとおり、横谷のゴールを含めて決定機が4つ。だが、ここでバランスを再度整えてこそのゲームコントロール術ではないのか。
まだリードを許しているのだから、「ずっと自陣に引きこもってカウンターをしろ」と言うのではない。それは“大宮スタイル”からも反すること。それでも、残り時間は30分もあった。前にボールを運べており、ラインをプッシュアップしながら、均衡を保ったコンパクトな布陣を敷くことが第一優先となるべきだった。
「前掛かりに突っ込み過ぎて、攻撃に偏っていた」(渋谷監督)のは明確な反省材料だ。「前からプレスするところと、リトリートするところ。これを上手く使い分けられれば……」(塩田)の言葉は、まさに今の課題を表わしている。
繰り返すが、Jリーグ開幕から4試合で昨季の4位以内のチームと3試合を戦った。もし2勝1分1敗の勝点7で乗り切れていたら、上々と言って過言ではない。勝点1の大切さは、降格時に嫌というほど味わったはず(15位だった清水と勝点1差で降格圏に沈む)。さらにFC東京戦と柏戦は「割り切り」(菊地)で勝利を手繰り寄せている。だからこそ、『3失点目だけはしない』と割り切って欲しかった。
今回の敗戦で3位から10位、ふた桁順位へと急降下した。「J1の質を痛感したゲーム」(渋谷監督)だったと全員が思えたはず。そして、「1-5という試合をしていては、また“残留争い”をしてしまう」(渋谷監督)のも、全員が改めて共有しただろう。2勝1分1敗の勝点7ではなく、2勝2敗の勝点6にとどまったが、「それでも良かった」のだと、この先で感じられる価値ある試合にできるかどうか。
攻撃面でも、守備面でも、修正点は多い。なによりも、強者のゲームコントロールは学ぶべき点になる。ナビスコカップを挟んで、次のリーグ戦は4月2日。昨季に鎬を削った磐田とホームで対戦する。J2王者の大宮に、J1王者の広島が突き付けた様々な宿題をどれだけ消化できるのか。決して失望だけではなかった大敗という“授業”を復習して、ぜひ次戦では活かす姿を披露して欲しい。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
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