新会長インファンティーノの素顔――FIFA、サッカー界はどう変わるのか?

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2016年02月29日

利権よりサッカー界の発展に軸足を置く、より現場に近い立場。

「誰がやっても同じ」という意見がある一方で、新会長に期待する声も少なくない。サッカー界のさらなる発展、それに伴って生まれる富の公正な分配は実現するか。 (C) Getty Images

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 今回の選挙では、サー・アレックス・ファーガソン、ジョゼ・モウリーニョ、ファビオ・カペッロといった世界的な名監督たちが、インファンティーノ支持を打ち出した。
 
 また、ルイス・フィーゴ、カフー、アンドリー・シェフチェンコ、ハビエル・サネッティ、ジャンルイジ・ブッフォン、さらには中田英寿と、ピッチ上で活躍してきたレジェンドたちも、インファンティーノの選挙運動に協力している。
 
 新会長は公約として、FIFAの組織改革と財政収支の透明化、各国協会(特に中小国)への分配金大幅アップ、ワールドカップ参加国の拡大(32から40へ=FIFA加盟国の19パーセントが本大会に出場できる)などを打ち出している。
 
 後の2つには、選挙で当選するために、中堅・弱小国からより広い支持を得られる“目玉商品”という意味合いがあることは明らかだ。
 
 しかし、もしこれが実現すれば、ビジネスとしてのワールドカップの商品価値はさらに高まる。そこで得られた収益を各国協会に還元し、トップリーグからグラスルーツまであらゆるレベルにおける、サッカーの繁栄と発展に結びつけるという「プラスの循環」も期待できる。
 
 実際、これはUEFAがCLやEUROの拡大を通して、欧州サッカー界で実現してきたシナリオでもある。
 
 確かなのは、インファンティーノの会長就任によって、FIFAが正常化と信頼回復に向けた大きな一歩を踏み出したということである。
 
 政治的な利権よりもサッカー界そのものの発展に軸足を置く、より現場に近い立場を持った人物を会長の座に得たことは、汚職スキャンダルにまみれ、信用が失墜したFIFAの信頼回復にとっては、間違いなくポジティブな出来事だ。今後の取り組みに注目したい。
 
文:片野 道郎
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