• トップ
  • ニュース一覧
  • 【選手権】予選で敗れ去った今季注目の逸材たちのエピソード[後編]未完の大器、最強世代、全国屈指のアタッカー…敗れし者たちが見据えるもの

【選手権】予選で敗れ去った今季注目の逸材たちのエピソード[後編]未完の大器、最強世代、全国屈指のアタッカー…敗れし者たちが見据えるもの

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2015年11月25日

極上の攻撃センスを秘めた全国屈指のアタッカーも晴れ舞台に立つことは叶わず…。

草津東の山本悠樹は全国屈指の攻撃センスでチームを牽引してきたが、ライバルの野洲との対戦を前に敗退。選手権の舞台に立つことは叶わなかった。写真:安藤隆人

画像を見る

山本悠樹
(草津東/3年/MF)
 
 ピッチ全体を俯瞰するような視野の広さと針の穴を通すようなパス技術を併せ持つうえに、シュートセンスにも優れたアタッカーは、選手権に出場すれば、間違いなく注目を集める存在だった。
 
 しかし滋賀県予選準々決勝、伏兵の立命館守山に1-2のまさかの敗戦。県内のライバル・野洲と当たる前に姿を消すことになってしまった。彼を全国で見られないのは、非常にもったいない。そう思わせてくれるほどの選手だ。
 
 印象に残っているシーンがある。それはインターハイ1回戦の盛岡商戦で見せた、鮮やかなドリブルシュートだ。試合開始早々に、バイタルエリアでボールを受けて仕掛けると、「コースが見えたので、力まずに振り抜こうと思った」と、右足を一閃。ペナルティエリア外から放たれたシュートは、正確にゴール右上隅に突き刺さり、チームに先制点をもたらした。
 
 このゴールには彼のセンスが詰まっていた。実はこのゴールの直前に、似たような位置からミドルシュートを打っていた。
「あの位置でボールを受けた時、CBが飛び込んでこなかったので、次の瞬間にシュートを打つ判断をした。そうすることで、次以降あの位置で受けたら、CBが食いついて来ると思った」
 
 そう語ったように、シュートを打つ前から相手との駆け引きですでに勝利をしていたプレーだった。イメージを刷り込ませたことで、後はあのスペースで一度はDFにボールをさらすプレーをすれば良かった。そして、相手が食いついて来た瞬間、ボールを前に運びシュートコースを空け、「GKが構えるのが見えたので、ちょっとタイミングをずらして振り抜くことを意識した」と、GKとの駆け引きにも勝利して、精度の高いシュートを突き刺した。
 
「1、2年の時はボールを持ったらパスコースばかり探していた。でも今はパスコースを探しながらも、シュートを常に意識するようになった。バイタルエリアでの決断が早くなったし、冷静な駆け引きができるようになった」
 
 経験を積み、さらにスケールが増した山本は、これからどこに向かうのか。選手権こそ出られないが、彼は、その将来には大きな可能性を秘めている。次に脚光を浴びるその時まで。彼は静かにその才能を磨き続ける。
 
取材・文:安藤隆人
【関連記事】
【選手権】予選で敗れ去った今年注目の逸材たちのエピソード[前編]悪夢の失点、未熟さ痛感、終盤の逆転劇…
【高校サッカー】全代表校が決定! 明暗分けた「来季プロ入り内定&有望選手」の選手権予選
【高校サッカー】選手権の組み合わせが決定! 前回王者・星稜の初戦は、スーパーゴールで世界を席巻した玉野光南
【選手権予選/代表校一覧】 48代表校が出揃う! 夏の王者・東福岡が3年連続、静岡は藤枝東が2年ぶり出場!
【広島】佐藤寿人が森保監督に語ったひと言。「ストライカーは“教えて”作れるもの」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ