来年は女子ワールドカップが開催。2011年の世界制覇以降、アジアカップやE-１選手権でこそタイトルを獲得しているものの、W杯での優勝からは遠ざかっている、なでしこジャパンだが、ふたたび頂点に立つために必要なこととは？

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　ヨーロッパ勢を含めて女子サッカーの技術力は、絶対に自分たちの時代より向上してきています。ただそのなかで、今のなでしこジャパンに必要なのは技術面を伸ばすことだけではないと思っています。

　私たちは2011年のワールドカップで、澤（穂希）さんにタイトルを獲ってほしいという気持ちで毎試合、臨んでいました。あれだけ長く代表を引っ張ってくれた人と一緒にサッカーができているのが幸せでしたし、それは今回の男子のワールドカップで優勝したアルゼンチンの（リオネル・）メッシに対する気持ちと一緒だなと感じました。
 

　そういった「この人のために」と思えるような選手が、１人でもいるチームは強いのかなと思います。だから私は、個人的に代表に安藤梢を呼んでほしいと思っています。パーソナルな部分を含めて、あの人が入ったらチームが変わるような気がする。１人そういうベテランの存在がいるだけで面白い変化が生まれるはずです。

　そういう選手がいると、最後の最後まで力を出し切ることができるし、諦めない姿勢が増す気がしています。自然と試合が終わった後にユニホームが汚れているというか。メンタル面でもチームが団結するのかなと感じています。今回のワールドカップで男子チームは頑張っていたと思う。みんな身体を投げ出して戦っていたし、それこそ“三笘の１ミリ”じゃないですけど、ピッチの外に出るくらい最後までボールを追いかけていましたよね。

　私たちの時代でも代表のチーム内でよく言っていましたが、泥臭く頑張るという姿をもっと見せてほしいと思っています。

　サッカーをやっている以上、代表は行きたい場所。私の同世代でまだ現役の選手も多くいますが、いくつになっても誰も代表入りを諦めていません。若い子に負けたくないという気持ちも持ちながら、これからも頑張っていきたいです。

※このシリーズ了

取材・構成●手塚集斗（サッカーダイジェストWeb編集部）

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