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【バイタルエリアの仕事人】Vol.22大谷秀和|パサーとしてテンポ良くつないで、受け手の時間を作る。伝えたいのは駆け引きの面白さ

カテゴリ:連載・コラム

野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

2022年11月30日

マッチアップが難しいのは“見られている感覚”のある選手

対戦して嫌だった選手には中村氏(右)と遠藤(左)を挙げた。(C)SOCCER DIGEST

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 ボランチとして長く戦った大谷は、マッチアップしたなかで最も上手かった選手に、クラブ・ワールドカップで戦ったブラジルのサントスに所属していたガンソを挙げる。

 では、日本人選手では誰が強く印象に残ったのか。

――◆――◆――

 中村憲剛さんや、遠藤(保仁)選手は嫌でしたね。常に駆け引きしてくるので。自分が前で奪いたい時に、常に背中を取ってきますし、しっかり相手を見てプレーを選択しているので、守備側は簡単には飛び込めない。すごく“見られている感覚”があって、嫌でしたね。

 逆に、ボールばかり見ている選手や相手の状態を意識していないプレーヤーが相手だと、ボールに対して奪いに行きやすいですし、狙いやすいですけど、遠藤選手や中村さんはしっかりと相手を見てプレーしているので、守る側として対応している時は、嫌でしたね。

 その意味では、(アンドレス・)イニエスタ選手も一緒ですね。やはり、ボールを見ないで相手を見て、何と言うか“後出しじゃんけん”じゃないですけど、「相手が動いたら、その逆を取って」みたいな。ギリギリまで判断を変えられる技術と目を持っている選手たちは、対峙していて嫌でした。
 
 また、鎌田(大地)選手は鳥栖にいた頃に何度も対戦して、印象が強く残っています。ボールを持った時の姿勢が良くて、常にラストパスを意識して、ゴールに直結するプレーを狙っていました。ボールを持ってもプレーのスピードが落ちなかったですし、前線の選手たちに出すパスが強気で、かつ質も高かったです。

 僕はサッカーをやっているなかで駆け引きすることを、常に意識してきました。それが僕の中では醍醐味でもあり、楽しさでもあったので、指導者になっても追求して、伝えていこうと思います。

 現代サッカーはアスリート能力が高くなってきて、強度が大事という部分もあります。でも、ボールを蹴り始めた時の、相手の逆を取って抜くとか、相手が考えていないプレーで相手を上回るとか。始めた頃の根っこの部分を忘れずに、これからもやりたいなと思います。

 僕が長くプレーできたのも、相手の逆を取るプレーや、相手の考えを逆手にとってという部分が、相手にとっては嫌だから現役を続けられたと思います。そういった駆け引きを楽しむのは、サッカーを見る際に分かりづらい部分ですけど、伝えていけたらなとは、思っています。
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