岡崎慎司はメガクラブに到達できる? 識者の目と過去の事例から可能性を探る

カテゴリ:ワールド

田嶋コウスケ

2015年09月18日

いずれ移籍の芽が膨らみそうなのは守備的なACミランやインテルか。

FWのタイプとしては、かつてリバプールで活躍したカイトを想起させる岡崎。前線からの果敢な守備も持ち味のひとつだ。(C) Getty Images

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 そんな岡崎を想起させるのが、元オランダ代表FWのディルク・カイトだ。フェイエノールト在籍時(2003-06年)に3シーズン続けて20ゴール以上を叩き出した点取り屋は、その得点力に加えて献身的な守備と圧倒的な運動量が評価され、06年8月にリバプールへ加入。当時指揮官だったラファエル・ベニテスたっての希望で、祖国オランダから海を渡ってきたのだ。すると、ファーストDFとしてフル稼働。守備志向の強かったスペイン人監督の好みに合致し、「ベニテス・サッカーの申し子」と呼ばれるようになった。
 
 カイトと同じくハードワークと規律を重んじる岡崎が、純粋なストライカーというよりも戦術的な観点からメガクラブのターゲットになる可能性はありそうだ。
 
 G・ネビルの言葉にもあったように、FWでありながらチェイシングやサポートを厭わない「利他的なメンタリティ」を有している点は、プレミアリーグで希少価値が付く。ゴール、アシストという目に見える結果も重要だが、数字で示しにくい献身性もメガクラブの扉を開けるアピールポイントになるというわけだ。
 
 指揮官の戦術志向と現在のスカッド構成から考えると、いずれ移籍の芽が膨らみそうなのは守備に重きを置くACミランとインテルか。
 
 懸念事項は、29歳という年齢だ。今季レスターで大活躍したとしても、シーズンオフを迎えた時点で30歳になっている。加入後も成長が見込める22-24歳の若手を優先的に獲得する傾向が拡大の一途を辿るヨーロッパの移籍市場で、その年齢が障壁になる可能性は否定できない。
 
 もっとも、一昨季にサウサンプトンで13ゴールを挙げ、その翌年に32歳でリバプールに引き抜かれたリッキー・ランバート(現ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン)の例もある。「結果」と「献身」でアピールを続ければ、岡崎もさらなる高みに到達できるかもしれない。

文:田嶋コウスケ(フリーライター)

(※『サッカーダイジェスト』9月24日号より)
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