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「何も答えが浮かばなかった」。西野朗・前日本代表監督がロシアW杯で味わった“キツかった経験”

カテゴリ:日本代表

増島みどり(スポーツライター)

2022年07月12日

グループリーグで4得点以上奪わなければ、トーナメント進出は不可能

ロシア・ワールドカップで日本代表は6ゴールをマーク。コロンビア戦での大迫(15番)の決勝弾が鮮烈な印象を残す。写真:GettyImages

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 「小国の戦いをする必要はない」と、西野は言う。18年に、W杯常連国を相手に貫いた攻撃的なスタイルは、今回も日本の特徴として発揮するべきで、そのためには、ここまで改善されていない攻撃の課題も指摘する。    

 最終予選の全得点は12点にとどまった。加えて本来、日本がバリエーションを持つべきセットプレーは、今回の最終予選中も、現在も決まっていない。  

 過去6大会の成績を振り返ると、西野が選択した「小国ではない戦い」の中身が分かる。98年フランス大会は、中山雅史の1ゴール(対ジャマイカ)のみで3連敗に終わる。02年の日韓大会は5得点で初めてトーナメントに進出。アジア予選中には、攻撃力が自慢だったドイツW杯も、グループリーグで2点にとどまった。    

 10年の南アフリカ大会は本田圭佑、遠藤保仁のFKを含み4点でトーナメントへ。期待が大きかった14年ブラジル大会も2点で敗退した。ロシアでは、香川真司のPK、CKからの大迫勇也のゴール、引き分けに持ち込んだ2試合目のセネガル戦も2得点をあげ、ベルギー戦も2点と、過去W杯最多となる6得点を挙げた。トーナメントに進出を果たした3大会はいずれもグループリーグで4点以上を(02年のみ5点)奪った。
 
 W杯で必要なゴールを前提に、現在の代表は足りない。ドイツやスペインといったW杯優勝国、コスタリカと対戦するうえで、チャンスを確実に得点にする決定力と、セットプレーは必須要素だ。

「6月に選ばれた28人に、あとはケガから戻ってくる選手、サコ(大迫勇也)も力を出すだろうし、ここから新しいメンバーが入ってくるよりも、4年間で非常に高いレベルで競争を続けてきたメンバーの、最後の争いが熾烈になると思う。吉田、航(遠藤)らを中心にした守備のスタイルは4年で一層安定し、試合で計算できるレベルに持ってくるはずだ。

 ただ、攻撃はもう少し爆発力を持ったタレントが多く出てくると期待していた。彼らがヨーロッパでプレーをして、間違いなく4年前よりテクニックのレベルはあがっているのに、決定力が飛躍的に上がった、というわけではないのが寂しい。南野(拓実)、鎌田(大地)、スピードで守備を突破する前の選手たちも、決定力をもっと向上できれば。攻撃陣全体的に、もう一段上がって、11月の選考に向かって行って欲しいところはある。

 久保(建英)も、本当にパンチのあるプレーをするようになった、と見ていたけれど、ケガもあって、成長が難しい時期かもしれない。セットプレーも、課題だろう。ロシアでは大迫がコロンビア戦の2点目、CKから決めている。過去には本田、遠藤がFKを決めているし、綿密な連携をはかり、合わせるのは日本が得意な部分。今回、トレーニング期間がないまま大会に向かうのは、こういうところで、じっくりチームを作ってきた日本に、マイナスにならないように準備しておくのが重要になるんじゃないか」

取材・文●増島みどり(スポーツライター)

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