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大学で“尖ったサイドアタッカー”に変貌を遂げたオナイウ情滋。「兄のおかげで反骨心と向上心を持って向き合えた」

カテゴリ:大学

安藤隆人

2022年07月07日

「北信越の舞台を選んで良かったと心から言えます」

試行錯誤を繰り返す毎日で、「全然モチベーションが落ちる日がない」。高精度のセットプレーも持ち味のひとつだ。写真:安藤隆人

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 大学でスピードを生かした縦への突破力、そしてキック力を生かしたクロスの精度を追求するようになると、相手も『オナイウ情滋対策』として2、3枚マークを当ててくるようになった。

 すると、「確かに関東よりはレベルが落ちる部分はありますが、逆に言うと自分の対策を関東のチームよりも徹底してやってくるので、そこからどう打開しようかとか、どう工夫していこうかという発想を増やす要素が多いんです」と、どれだけ警戒をされても突破できる自分の形と発想の引き出しを創出しようとさらに頭を働かせるようになった。

 同時に、思い立った発想を具現化できる場所もたくさんあった。まずは1年時から試合に絡めたことが一つ大きな要素で、もう一つは新潟医療福祉大という北信越ナンバーワンのタレント集団の中で日常を過ごせたことにあった。

「大学内のフォーメーション練習や紅白戦でも、仲間が僕のプレースタイルを深く知ったうえで対策を練ってくるので、そこでさらにドリブル突破の発想も実践も質を高くすることができる。自主トレでも(エースの小森)飛絢にクロスを合わせる役をやってもらうことで、彼の素早い動き出しに対して、タイミング、軌道、ターゲットとすべき場所などを本当に毎日工夫と実践を繰り返しながらやれたことで、クロスをかなり磨くことができた。ほとんど毎日『こうすれば良かったな』と思うシーンが出てくるし、『悔しいな』と思う日も多くあるので、全然モチベーションが落ちる日がないんです。もっとやれる、もっとやれるという気持ちを持ち続けて毎日やることができたことが本当に大きかった」

 この言葉を聞いて真っ先に浮かんだのが、今年6月の天皇杯2回戦の鹿島アントラーズ戦のワンシーンだった。0-2で迎えた85分、右サイドでボールを受けた情滋は、対峙するDFをワンフェイントで縦に交わしてから右足を振り抜きクロスを送り込むと、中央で小森が高い打点のヘッドで合わせて、鹿島から1点を奪い取って見せた。まさにこれは「飛絢と何度も練習してきた形」であった。
 
 何でもこなそうとしていた高校生が、大学で自分の長所を徹底的に出す『尖ったサイドアタッカー』に変貌を遂げた裏には、このようなストーリーが隠されていたのだった。

 最後に、改めて大学サッカーへの想い、兄への想いを聞いてみると、情滋は爽やかな笑顔でこう口にした。

「大学に進学した当初は、チャレンジの気持ちはもちろん多かったのですが、ちょっと現状から逃げてしまったのかなと思いました。でもこの決断をしたおかげで今があるのは間違いないし、今は北信越の舞台を選んで良かったと心から言えます。兄に対してはどんな時も尊敬と感謝の気持ちは変わりません。本当にずっと大好きな存在だし、兄のおかげで僕はサッカーに対して反骨心と向上心を持って向き合うことができたんです」

 兄に憧れて、兄をライバル視する自分を全て受け止めて、自らのアイデンティティを磨く。それはこれから先もずっと変わらない。それがオナイウ情滋の道なのだから。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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