「序列はあるが、絶対的ではない」の発言が真実であることを示すべき時かもしれない
冒頭の通り、今回は吉田という絶対的キャプテンが不在。それを川崎フロンターレのキャプテン・谷口が板倉とともにしっかりと埋めてくれた。もちろん強度やテンションが一段階二段階上がるサウジ戦で同じような落ち着きを出せるとは言い切れない部分があるが、新戦力がチームに新風を吹き込ませたのは事実だ。そうやって「誰が出るか分からない状態」を作り出さなければ、いつまで経ってもチームは前進しない。
「負けられない試合ではリスクを冒さない」という消極的な選手起用からどこかで抜け出さない限り、森保監督はカタールW杯に参戦したとしても、ベスト8の壁を超えることはできないだろう。「序列はあるが、絶対的ではない」という昨年末の発言が本当であることを示すべき時は今かもしれない。日本の命運を賭ける4日後の決戦に向けて、指揮官の判断が待たれるところだ。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
取材・文●元川悦子(フリーライター)