横浜FCは敵陣にボールを運べた際、図のように神戸の中盤３人のスライドが間に合う前にサイドを縦に前進して、相手サイドバックの裏を狙えるかどうかが重要です。それともやり直してサイド変えるのか、攻め方の使い分けが必要になります。

　また中央を使う場合は、松尾佑介やフェリペ・ヴィゼウの立ち位置を見ると攻撃の狙いが見えてきます。これまでの傾向では、前線の３人が比較的、中に集まっているときは、中央突破を狙う可能性が高いです。シャドー２人が外にポジションを取るのか、中に入っているのかに注目してみても面白いかもしれません。

　さらに神戸の特徴である中盤３枚のスピード感を考えると、サイドにいくと見せかけて、バイタルエリアへの斜めのくさびのパスや、アーリークロスも有効でしょう。
 

　神戸はサイドに対人に強い酒井高徳がいるので、簡単には突破されないと思いますが、90分間ずっとは守り切れない。もし図のように裏にボールが出てしまったときには、センターバックの菊池流帆がカバーに出ていくケースが多いです。ただ、これを頻繁に繰り返すと、不意を突かれてアーリークロスを入れられた際、ゴール前の人数が減ってしまい危険。菊池の立ち位置や動きにも注目です。

　アーリークロスを上げさせないため、とにかく中盤３人のスライドを速くすることが大切。これがしっかりできているうちは守り切れるはずです。

　ただ中盤やセンターバックの菊池が一斉にサイドに流れてしまうと、どうしてもバイタルエリアにスペースが生まれてしまうので、そのケアを山口蛍や郷家友太など、周りの選手ができるか。横浜FCは前節、バイタルエリアからA・シルバがミドルを打って、一度ブロックされて高く上がったボールに反応したＦ・ヴィゼウがゴールを決めていました。神戸としては誰がバイタルエリアをケアするのかは見どころになります。