• トップ
  • ニュース一覧
  • プロ分析官が見たオマーン戦。劇的に流れを変えた三笘と古橋だが、スタメンではない理由も垣間見えた

プロ分析官が見たオマーン戦。劇的に流れを変えた三笘と古橋だが、スタメンではない理由も垣間見えた

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年11月19日

三笘&古橋が出たから結果が出たとは一概に言えない面も

中山がスタメンを勝ち取るには、流動的な左ウイングとの相性も必要になるという。(C)JFA

画像を見る

 最終予選を一巡して振り返ると、サウジアラビアには負けましたが、自分たちのバックパスを奪われてのもの。オーストラリアにも直接FKでの失点のみです。徹底的に崩されたというわけではないと考えます。守備に関してはアジアのレベルで大崩れするような選手たちではない。オマーンは決して弱くないですが、正直何もさせなかった。これをライバルとなるサウジアラビアやオーストラリアにも発揮していかないといけない。

 ただ、それ以上に今後に向けての課題は間違いなく攻撃面でしょう。

 2次予選のように、相手が弱ければ大量得点も取れましたが、いかに崩していくのか、より機能性を高めた攻撃を構築しなければいけません。ずっと大迫選手に頼り切りになっていた部分もあり、4-3-3を採用したことで余計に真ん中に大迫選手しかいないというケースも出てきています。大迫選手のキープ力に頼りきりのシーンがいくつもあり、ボックス付近の大迫選手の周りを、どう構築し可変していくのか、今後の課題でしょう。

 中盤までの繋ぎは改善した一方で、相手を崩せているかというとそうでもない。皮肉なのは、サウジ戦までの4-2-3-1に変えてからの方がスムースだったことでしょうか。

 やはり、システムは戦略の上にあるもの。4-3-3だろうが4-2-3-1だろうが、どういうコンセプトでゴールを取りに行くのかについては、もっともっと整備する必要があると感じます。
 
 また、この試合で流れを大きく変えた三笘選手や古橋選手の貢献が語られがちですが、彼らが出たから結果が出たとは一概に言えない面もあります。後半の守備では穴もありました。

 この試合唯一のセットプレーを与えてしまった85分のシーンは古橋選手のファウルですし、三笘選手が戻り切れなくて後ろを使われてしまった場面もあります。

 攻撃面を考えれば良い選手たちなのですが、守備を考えた時に、どれだけコンセプトに忠実にできていたのかというと、彼らが先発ではない理由と言うと大それた言い方ですが、彼らの伸びしろでもあると思います。

 三笘選手がスピード感を生み出したのは間違いないですが、ドリブル成功数はそこまで高くない。相手に対応され、ロストする場面もありました。古橋選手も裏を狙った動き出しは質の高さを感じますが、同時にオフサイドも取られています。攻撃で仕掛ける一方で、奪われた際にはチームとして守備もしなければならなくなる。出場機会を勝ち取るだけの個人能力の高さは感じますが、チームとしてそれが生かし切れているか。

 そういうさじ加減は監督の判断です。試合やトレーニングの断片的なものしか見ていない我々と、ずっと一緒にいる人たちが見ているのでは、情報量が全く違います。誰かを使うということは誰かが外れるという事でもあり、新しい選手を使ったのに勝てなければさらに批判も出ます。実際の現場は分かりませんが、長く近くで見てきている森保監督の判断に委ねている部分はあると思います。

 もちろん、今の先発メンバーでずっと行きましょうという提案をしているわけではなく、やはり新しいメンバーが馴染むには時間はかかるというのが感想です。
 
【関連記事】
「モリヤスは誰の言うことなら聞くのだ?」森保監督の古橋起用法に英メディアが苦言!「日本サポーターのフラストレーションは明白」
「ムダな地球一周の旅」板倉滉を“起用しない”日本代表に地元記者が怒り心頭「1万キロ以上を移動し、180分間ベンチにいた」
鮮烈デビュー!オマーン戦の“三笘アワー”に潜む収穫と課題。西野ジャパンと同じ部分がアキレス腱か…
【釜本邦茂】三笘のドリブルが注目を集める一方で、ゴールから遠ざかる大迫、南野に言いたいのは…
【セルジオ越後】オマーン戦のヒーローは間違いなく三笘! 柴崎は田中にレギュラーを奪われたけど…

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ