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プロ分析官が見たオマーン戦。劇的に流れを変えた三笘と古橋だが、スタメンではない理由も垣間見えた

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年11月19日

ゴールシーンでは三笘&伊東選手にフォーカスされがちだが…

杉崎氏は、伊東のゴールが生まれたのも4バックのリスクヘッジが効いていたからこそだと解説する。(C)JFA

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 効果としては、田中選手が遠藤選手とダブルボランチを形成し、攻撃時には田中選手が上がってインサイドハーフの役割も担います。同時に南野選手の位置を中央からやや右へ移したことで、川崎フロンターレでやっていた時と同じような感覚でプレーできていたのではないでしょうか。投入された三笘薫選手が左のウイングで高い位置をとり、その後に入ってきた中山雄太選手が、川崎の登里享平選手のように気の利いた立ち位置を取る。そういった攻撃面の循環が上手くできていました。

 さらに後半投入された三笘選手が、開始20秒で縦に仕掛けてファウルをもらいました。彼だけが良かったわけではないですが、南野選手とキャラクターが違う三笘選手の投入で、スピード感が出ました。

 前半は、左サイドで縦に仕掛けるのが長友選手くらいしかいなかったため、三笘選手の登場で両サイドから縦に仕掛けることができて、オマーンとしてはかなり厄介だったでしょう。

 そんな後半の出足で、試合は両チームが対策をしあうという展開になります。

 まずオマーンは55分に遠藤選手にイエローカードが出て試合が止まった直後から4番と8番の立ち位置を変えました。三笘選手への守備の対応をせざるを得なくなったわけです。

 これを受けて日本も62分に選手交代。長友選手を中山選手、南野選手を古橋亨梧選手に代え、システムを4-4-2の2トップ気味に変更します。

 日本はシステムに固執せず変化をつけ、オマーンは布陣を変えずに人の配置を変えて対応してきました。

 この試合で効果が大きかったのは日本で、三笘選手投入から4-2-3-1、4-4-2と変化させるなか、選手間の距離感が前半から比べて非常に良くなりました。

 そんななかで決勝点が生まれます。中山選手が引っかけて、三笘選手から伊東選手へつながりゴールになりました。

 ゴールシーンでは三笘&伊東選手にフォーカスされがちですが、この試合を通して見せていた4バックのリスクヘッジが非常に効いていたからこそ、ゴールに繋がったというのが私の感想です。
 

 見る人にとっては、スピード感の無い試合に感じたのも否めないでしょう。特に、前半のスピード感の無さが良かったのかと言われると難しいところですが、温存とは言えないまでも90分通してのマネジメントができていたと感じました。

 例えばJリーグでは、川崎フロンターレのサッカーをずっと追っている方はイメージがつくかもしれませんが、川崎は最初からガンガン行くチームでもない。時には最初かなりゆっくりと試合に入って、相手の出方を見て、自分たちがどこでスピードアップするか。どこで勝負するかを考えながら戦えるチームです。

 オマーン戦の日本代表は若干、そういう雰囲気がありました。ボールを握った時に全部仕掛けるわけではなく、どうやって相手を引き出して、どこに隙ができるかを冷静にピッチ上で見ていたと思います。事前のスカウティングと、ピッチ上の違いを見て、相手がホームでどれぐらい出てくるのかを探って。

 左右に動かし、縦に仕掛け、前半は山根選手から大迫勇也選手への楔を何度か当てていました。伊東選手がアーリークロスを上げ、長友選手が深くまで抉ってクロスをファーサイドに蹴る、柴崎選手が引いた状態から早いタイミングで上げるなど、攻め方の工夫も見られました。

 強いチームは90分間トータルで試合をコントロールし、圧倒的に攻め続けるというワケではないとも思っています。今回の対戦では、オマーンは何もできなかったという感覚があったかもしれません。一方で前半を終えた時に日本がどう感じていたのかは気になるところですが。

 前回対戦でやられたわずかなミスを避けるため手堅い試合運びから、後半さらにギアを上げて勝ち切る。もちろんスローペースで進んだ前半でも点が取れていればいうことはありませんでしたが、失った後のリスクマネジメントを含めて、アウェーということを考えれば悪い内容でもなかったはずです。
 
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