「スぺインやメキシコとの差は…」三好康児が振り返る東京五輪【インタビュー/前編】

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェスト編集部

2021年10月21日

「スペインのようにボールを回して崩すのが理想。日本は…」

スペイン戦では途中出場。世界のトップレベルを肌で体感した。(C)Getty Images

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――スペインやメキシコは過去の国際大会で何度も決勝に進出している分、トーナメントの勝ち上がり方を理解しているように映りました。

「国全体、選手個々としても、経験値の差がありました。接戦が続くなかで、それが総合力の差として表われたのかもしれません」

――その経験値の差が決定力の差にもつながったのでしょうか? 日本は決勝トーナメントでなかなか点が取れませんでした。

「チャンスを決め切れなかった勝負弱さみたいなものは大前提としてあります。ただ、負けたら終わりという試合では、そんなに簡単に点は取れません。1点を取るか取られるかのギリギリの戦いです。でも、だからこそ仕留めに行くシーンと時間を使うシーンを的確に見極めなければいけなかったです。

特にスペイン戦は、相手にボールを持たれる状況が長く、いざボールを奪っても、すぐに奪い返されて劣勢が続き……。グループリーグでのメキシコ戦のように、立ち上がりからカウンターで点を取れれば良かったですし、それが上手くいかなくても、ボール保持を優先すべきでした。その判断がチームで共有し切れなかったです」
 
――堂安選手は「本来はスペインがやっていたようなサッカーをしたかった」と大会を終えて語っていました。一方で格上の相手には現実的な戦いもしなければいけない。そのバランスはどう考えていますか?

「僕もスペインのようにボールを回して崩すのが理想だと考えています。ボールを奪われてもすぐに囲い込んで奪回するのがベストです。もちろん格上との対戦で引く時間が長くなるのは仕方ないですが、いかに耐えながら攻撃につなげていくか。バランスというよりは、その方法が重要なのかなと思っています。日本は守備をしたいチームではないですから」

――スペインの選手たちの個々の技術力はどうでしたか?

「やっぱりレベルは高かったです。1タッチ、2タッチのスキルももちろんですが、ポジション取りが本当に上手い。間のスペースに入り込んで常にトライアングルを作るので、こっちはなかなかプレスをかけられない。しかも僕らがボールを奪っても、良い距離感を保っているので、すぐに囲い込んで潰しにくる。チームとしてしっかりした戦術があり、しかも個々の判断力が優れているんです。本当に凄かったですね」

――そうした相手を下してメダルを獲得するには何が必要なのでしょうか? もし次のパリ五輪世代にアドバイスをするとすれば……。

「3年後にどんな選手が出場するのか分からないので、今、アドバイスできることは限られますが、チームとして共通理解を高めなければいけないのは確かです。組織が機能するからこそ、個々の仕掛けなど工夫が生きてくる。僕らも、それを高いレベルで実践できれば、もっと怖さを出せたはずです」
 
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