U-23アジアカップ予選に臨む日本の中枢へ!大学No.1ボランチが魅せた圧巻のクオリティ

カテゴリ:日本代表

安藤隆人

2021年10月12日

アンカーとして攻守両面で強度と精度の高いプレーをし続けた松井。チームの中枢と言っても過言ではないクオリティ

U-23アジアカップ予選では、オーバーエイジ選手として松井(8番)の活躍が見られるか。写真;安藤隆人

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 今回はパリ五輪世代中心で構成され、実質2学年下の代表チームに加わる形となったが、年下の選手で同じボランチのポジションには、藤田譲瑠チマ(徳島ヴォルティス)、松岡大起(清水エスパルス)、田中聡(湘南ベルマーレ)、櫻井辰徳(ヴィッセル神戸)とすでにJ1で躍動し、中には不動のレギュラーの座を掴んでいる選手もいる。
 
 さらに『オーバーエイジ枠』で呼ばれた4人(角田涼太朗[横浜]、山原怜音[清水特別指定]、郷家友太[神戸])の中で、J1出場経験がないのは松井だけ。

 しかし、プレーを見るとそれはあくまでデータ上の数字であって、実力的にはこのチームの中枢と言っても過言ではないほどのクオリティだった。鋭い寄せで相手からボールを奪うと、ドリブルで一気に前線まで運んだり、パスを出してから前へランニングをして受け直すなど、法政大でいつも見せるプレーをする一方で、「プロで活躍している選手が多いので、ワンテンポ早いタイミングでパスを付けることも意識した」と背後から来たボールをダイレクトで縦パスを打ち込んで攻撃のスイッチを入れるなど、状況に適したプレーを見せていた。特に松岡とFW細谷真大(柏レイソル)との連係はスムーズで、2人の素早いアクションを常に見逃さなかった。

 2本目の32分までのプレーだったが、「新たなシステムをチャレンジした」と富樫剛一監督が語ったように、4-4-2ではなく4-3-3で臨み、2本目まで2-0(細谷の2ゴール)とリードを奪い、主導権を握った試合運びを出来たのも、アンカーとして攻守両面で強度と精度の高いプレーをし続けた松井の存在があったからこそでもあった。

「大学で技術面や切り替えの面で成長をしていると思うので、それをしっかり出せば前(U-17)の時のような失敗はしないと思っています。手応えというか、やるべきことをやることが必要だし、それ以上に年上である分、チームをまとめないといけないと思っています」

 今回のU-22日本代表合宿は10日をもって終了したが、前述した通り、26日からU-23アジアカップ予選がスタートする。26日にカンボジア、28日に香港と戦い、グループKの1位になれば来年の本戦に出場し、アジアの頂点を目指す舞台で戦うことができる。

 会場はJヴィレッジ。福島県いわき市出身である松井にとっては地元で、日本代表としてプレーできる大きなチャンスだ。

「五輪がない分、A代表につながるように全力を尽くしたい」と、その先にある未来へのいいスタートとなるように。彼は地元凱旋に向けて、さらなる成長への準備を推し進めている。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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