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W杯『2年に1度』は本当にサッカー界のためになる? 日本にとっては“好都合”な改革案だが…欧州や南米の反発も当然

カテゴリ:日本代表

加部 究

2021年09月28日

Jリーグは世界基準への移行がいよいよ待ったなしに

日本にとっては、2年に1度、世界の強豪への挑戦権を得られるのなら、メリットは計り知れない。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

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 もともと日本の代表強化は岐路に立っていた。欧州組が増えて個々の経験値や価値が高まったのは良いが、アジア内での格差の大きな試合で忙し過ぎて、欧州や南米とは比にならない移動の負荷に対してあまりに実りが少ない。中東からオーストラリアまで広がるアジアの移動距離は群を抜いており、技術委員会も現状打開に手詰まりの様子だった。

 しかし、まるでFIFAのスポークスマンのような立場で発信するアーセン・ヴェンゲルの提案によれば、年5回だった代表ウィークが2回(10月、3月)に減り、この間に大陸予選が詰め込まれるという。

 計2か月間で本大会への出場国を絞り込むには、当然集中開催や地域の再編の検討は避けて通れない。もしアジア予選が東アジア内だけで競われるようになり、突破をすれば2年に1度世界の強豪への挑戦権を得られるなら、現状に比べメリットは計り知れない。

 キリンカップを筆頭に、代表戦の国内開催が難しくなり財政問題は浮上するかもしれないが、反面、ワールドカップとアジアカップが交互にやってくることになれば、サッカー熱が途切れなくなる。一方Jリーグは、世界基準のカレンダーに則したシーズン制の移行が、いよいよ待ったなしになりそうだ。
 
 もちろん4年に1度だったワールドカップの希少価値は落ちる。だがその分だけ季節感とともに代表戦の開催時期が認識され馴染むようになり、日本にとってもチャンスの数が増えれば快挙達成の確率も高まる。過去の例に照らし合わせても、代表監督を見直すサイクルも4年間より2年間刻みのほうが良さそうだ。

 地域では優位だが世界との距離を縮める策を探しあぐねていた日本には、この上なく好都合な改革案だと思う。

文●加部 究(スポーツライター)
 
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