プロスカウトも高評価!首位・法大を破った桐蔭横浜大の躍進を支える3年生コンビに注目

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2021年09月21日

ゴールから離れてしまった時期もあったが「これまでの自分を信じて同じことを続けました」

必死に食い下がる山田。逆転劇に大きく貢献した。写真:安藤隆人

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 両チームとも本来のサッカーをすることは不可能な状況だったが、その中でも中野と山田の3年生コンビはこのピッチでやるべきことを一番徹底していた選手だった。それが証拠に試合後、安武監督は「中野が戻ってきたのが大きい。後ろの安定感、踏ん張りが全然違う。山田も強烈な個性を持っていて、開幕戦からずっとゴールを奪えていませんでしたが、これで2戦連発。どんな状況でもいいところに突っ込んで行ってくれる」と賛辞を惜しまなかった。
 
 中野は今年3月のデンソーチャレンジカップ熊谷大会では関東C・北信越選抜の不動のディフェンスリーダーとして決勝までの4試合すべてにスタメン出場。そこでプロのスカウトから高評価を得て、一気に注目の存在となった。だが、大会直後に肉離れを起こし、復帰直後に今度は右足の第五中足骨を骨折し、復帰は8月となった。

 その間、彼はフィジカル強化に乗り出し、自身のターンスピードや寄せのスピードを上げ、外からサッカーを見ることで自分がCBとして守備を統率するイメージを重ねた。さらに「ラインの上げ下げなど細かい部分の話し合いを重ねた」と足もとの技術に長け、ビルドアップ能力が高いGK早坂とのコミュニケーションも彼のサッカー脳をブラッシュアップさせた。

 一方で山田も「ゴールが取れない時期はこれまであまりなかったので、前期は結構悩んだのですが、(悩んだ結果)これまでの自分を信じて同じことをやり続けました」という原点回帰で、迷いなく前への推進力を発揮。だからこそ、こうして結果がついてきた。

「プレーはいつも通り気持ちを前面に出してゴリゴリやっていますが、オフの時は冷静に考えて動く。判断を伴ったプレーをしていきたい」と川崎U-18出身らしく技術レベルも高く、柔と剛を兼ね揃えたストライカーは覚醒の時を迎えようとしている。

 優勝に向けて巻き返しを誓う桐蔭横浜大を力強く牽引する3年生コンビ。この2人の名前を知っておいて損はない。それを、彼らがこれからより明確に証明していくだろう。立身出世の最中にある注目株であることは間違い無いのだから。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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