他との比較で自分の評価を下げる必要はない。
日本には日本の風習、習慣、文化がある。世界に誇れるものであり、素晴らしいものだと思う。その日本は、タイとは逆に競争社会の中で向上心や野心が育っていく。
学歴、派閥、そして成果主義の世界でもあるんだろうが、見返すことのできる社会でもある。そんな世の中に正直、疲れている人も多いのが今の日本なのだろう。早く走りすぎているのではないか? 少しペースダウンさせても悪くはないのでは……とも思うが。
そういう面で言えば、スポーツの世界はより純粋だ。学歴だけではなく、努力した分、認められる。(タイで言えばムエタイの世界がそうらしい)。どの学校を出たということより実力が優先される世界だ。
しかし、スポーツの世界でも競争を間違った方向に解釈している向きもあると僕は思っている。それがサッカーで言えば、「エリート」という概念だ。
エリート――。才能ある選手。もちろん、「エリート」と呼ばれる選手たちが素晴らしい素材であることは確かだ。しかしエリートの概念を「才能ある」と定義し、打たれ弱く、汚れない、恥はかかない、かけない、かいてはいけない……。完璧でありたいと思うがあまり泥をかぶれず、足先だけでプレーする選手が増えているのではないか。
そして、そのエリートプレーヤーを見て自分を負け組と位置づけ、本当の負け犬になり、諦めている奴らも多い。人を見て、自分を下げる。人の評価を聞いて、自評価を下げる。自信を失う。「もっと自分をしっかり見ろ!」と言いたい。
誰かより劣っているから悩む、誰かに文句を言われたから元気をなくす。それではダメだ。自分自身を極め、どれだけ自分を信じきれるか。自分を信じてやり続けることだ。まだまだ足りないと満足せずに、だ。
そんな想いを、毎週チェンマイの路上で10バーツ(約35円)の物を売り、それをできることに幸せを見出す人々の笑顔を見るたびに感じている。
彼らは単に僕の周りにいる人たちではない。僕と同じような想いを抱えた人たち。自分自身の姿なんだと思う。
ここで今日のひと言。
「馬鹿になれ!」
「サッカー馬鹿」とは言われたくない――ではダメだ! 馬鹿で上等! 馬鹿もとことん馬鹿になれば天才と同じ。両者には重なる部分がある。
僕には生まれた日からサッカーの環境があった。生まれつきの「サッカー馬鹿だ」。サッカーがなければ生きていけない。趣味サッカー、特技サッカー、仕事サッカー(笑)。恥をかいて成長し、自分自身を見て成長する。
「日本は必ず世界一になる!」
例えば、そんな想いを実現するなら、まずは自分自身を信じられなければならない。ただし、ひとりでは成り立たない。その気持ちを大きなうねりに変え、ひとりでも多くの日本国民が「世界一」への想いを持ち、自分を信じ、結束しなければいけない。
きっとタイのサッカーもそうだ。自分自身を信じられれば。もう一歩踏み出せれば、「未来は明るい」はずだ。
2015年6月22日
三浦泰年
学歴、派閥、そして成果主義の世界でもあるんだろうが、見返すことのできる社会でもある。そんな世の中に正直、疲れている人も多いのが今の日本なのだろう。早く走りすぎているのではないか? 少しペースダウンさせても悪くはないのでは……とも思うが。
そういう面で言えば、スポーツの世界はより純粋だ。学歴だけではなく、努力した分、認められる。(タイで言えばムエタイの世界がそうらしい)。どの学校を出たということより実力が優先される世界だ。
しかし、スポーツの世界でも競争を間違った方向に解釈している向きもあると僕は思っている。それがサッカーで言えば、「エリート」という概念だ。
エリート――。才能ある選手。もちろん、「エリート」と呼ばれる選手たちが素晴らしい素材であることは確かだ。しかしエリートの概念を「才能ある」と定義し、打たれ弱く、汚れない、恥はかかない、かけない、かいてはいけない……。完璧でありたいと思うがあまり泥をかぶれず、足先だけでプレーする選手が増えているのではないか。
そして、そのエリートプレーヤーを見て自分を負け組と位置づけ、本当の負け犬になり、諦めている奴らも多い。人を見て、自分を下げる。人の評価を聞いて、自評価を下げる。自信を失う。「もっと自分をしっかり見ろ!」と言いたい。
誰かより劣っているから悩む、誰かに文句を言われたから元気をなくす。それではダメだ。自分自身を極め、どれだけ自分を信じきれるか。自分を信じてやり続けることだ。まだまだ足りないと満足せずに、だ。
そんな想いを、毎週チェンマイの路上で10バーツ(約35円)の物を売り、それをできることに幸せを見出す人々の笑顔を見るたびに感じている。
彼らは単に僕の周りにいる人たちではない。僕と同じような想いを抱えた人たち。自分自身の姿なんだと思う。
ここで今日のひと言。
「馬鹿になれ!」
「サッカー馬鹿」とは言われたくない――ではダメだ! 馬鹿で上等! 馬鹿もとことん馬鹿になれば天才と同じ。両者には重なる部分がある。
僕には生まれた日からサッカーの環境があった。生まれつきの「サッカー馬鹿だ」。サッカーがなければ生きていけない。趣味サッカー、特技サッカー、仕事サッカー(笑)。恥をかいて成長し、自分自身を見て成長する。
「日本は必ず世界一になる!」
例えば、そんな想いを実現するなら、まずは自分自身を信じられなければならない。ただし、ひとりでは成り立たない。その気持ちを大きなうねりに変え、ひとりでも多くの日本国民が「世界一」への想いを持ち、自分を信じ、結束しなければいけない。
きっとタイのサッカーもそうだ。自分自身を信じられれば。もう一歩踏み出せれば、「未来は明るい」はずだ。
2015年6月22日
三浦泰年