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【広島】「思考の天才」佐藤寿人が成し遂げた大偉業。ゴール量産の秘訣はデータベースにあり

カテゴリ:Jリーグ

中野和也

2015年06月21日

「点が取れる」ストライカーの育成には“佐藤寿人研究”が必修科目。

J1・J2通算200ゴール、J1通算150ゴールのWメモリアルをハットトリックで達成するあたりはさすが千両役者。次は中山雅史氏の持つJ1通算最多得点(157点)超えを目指す。 (C)J.LEAGUE PHOTOS

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 昨年のFIFA年間ベストゴールの候補に選ばれた川崎戦でのループシュートも、居残り練習などで試していたこと。あらゆるシュートパターンを考えに考え、練習で何度も試す。遊びのサッカーでやったことも「面白いな」と思えば、自身の「ゴール・データベース」の中にインプットしておく。しかも、そのデータベースからの出力時間が極端に速い。

「無意識で良いプレーができるように、練習で考えてプレーすることが重要」

 この林卓人の言葉を誰よりも実践しているから、佐藤は瞬時に適切なプレーを選択できる。「思考の天才」――。考え続ける才能が、広島のエースは突き抜けている。

 必然として、いわゆる「ごっつあんゴール」などが彼には極めて少ない。

 2012年の開幕戦、石原直樹(現・浦和)のシュートをGKが弾き、そのこぼれ球を押し込んで浦和を下した佐藤のゴールを、「良いところにいた」と評価するだけでは、ゴールの本質は見えてこない。次のプレーを予測し、ボールがこぼれる場所を特定するだけのロジックを持ち得たからこそ、彼は「そこ」にいる。佐藤のゴールは、必然の積み重ねから生じる論理の結晶なのである。

 サッカーは考察のスポーツである。瞬間のプレーは無意識でも、そこで表現されるプレーの土台には、往々にして事前の考察から生まれた論理がある。その現実を若者たちに伝えるためにも、岡崎慎司(マインツ)に続く「点が取れるストライカー」を育成するためにも、「佐藤寿人研究」は必修科目である。

 その一環として、あるいはオプションとして、広島のエースを日本代表に招集してもいいのではないか。前人未踏の大記録を達成し、12年連続ふた桁得点も視野に入れる偉大なる佐藤から学べることは、海外でプレーする選手たちにとってすら決してすくなくないはずだ。

取材・文●中野和也(フリーライター)
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