目立たないながらも価値を示すプレーだった
そうした危険な噛み合わせが生じていた状況を感じ取った様子が柴崎には見られた。「2点目を取りに行くことで食らうリスクはあんまり考えなかったですけど、できるだけ個人的には丁寧に攻めていきたかった」と振り返る柴崎が注意していたのは、守備から攻撃に移行するトランジションの出方だった。
「トランジションの部分で自分たちが数的不利で攻めようとしても、なかなか難しいところがあるので、そこは横パスを入れてもらってまたサイドに展開して時間を作ってというところもやらなければいけなかったですし、実際そういったシーンも少なからずあったとは思います」
そこから62分に中国のリ・ティエ監督は3枚替えで帰化選手のアランとアロイージオも投入してきたことで、中国側の攻勢が強まり、日本も我慢の時間が長くなった。そうした状況の中でも、柴崎はできるだけボールを落ち着かせ、前がかりになって危険なカウンターを受けないように心がけるプレーを見せていた。
「2点目が欲しかったのは事実ですけど、まあ具体的な声掛けというよりは自分がボールを持った時のアクションで伝えようと思っていたので。そういった意味では少しドリブルを織り交ぜたりとか、自分があんまりはたかずに、キープして時間を作っていくという部分は意識した」
それでも森保一監督が76分に鎌田大地を投入したことで、日本がゴール前でチャンスを作るシーンが増えるのと引き換えに、ボールを奪われたところからカウンターになりかける場面も増えたが、ボランチの柴崎や遠藤航、さらに後ろの選手たちも落ち着いて対応していた。
最終予選で、しかも初戦でオマーンに負けているだけに、後半の試合内容はスリリングにも映るが、通常のリーグ戦などに照らし合わせれば本当に危ないシーンはほとんど無く、締め括るべくして締め括った1-0の勝利になったと言える。
「トランジションの部分で自分たちが数的不利で攻めようとしても、なかなか難しいところがあるので、そこは横パスを入れてもらってまたサイドに展開して時間を作ってというところもやらなければいけなかったですし、実際そういったシーンも少なからずあったとは思います」
そこから62分に中国のリ・ティエ監督は3枚替えで帰化選手のアランとアロイージオも投入してきたことで、中国側の攻勢が強まり、日本も我慢の時間が長くなった。そうした状況の中でも、柴崎はできるだけボールを落ち着かせ、前がかりになって危険なカウンターを受けないように心がけるプレーを見せていた。
「2点目が欲しかったのは事実ですけど、まあ具体的な声掛けというよりは自分がボールを持った時のアクションで伝えようと思っていたので。そういった意味では少しドリブルを織り交ぜたりとか、自分があんまりはたかずに、キープして時間を作っていくという部分は意識した」
それでも森保一監督が76分に鎌田大地を投入したことで、日本がゴール前でチャンスを作るシーンが増えるのと引き換えに、ボールを奪われたところからカウンターになりかける場面も増えたが、ボランチの柴崎や遠藤航、さらに後ろの選手たちも落ち着いて対応していた。
最終予選で、しかも初戦でオマーンに負けているだけに、後半の試合内容はスリリングにも映るが、通常のリーグ戦などに照らし合わせれば本当に危ないシーンはほとんど無く、締め括るべくして締め括った1-0の勝利になったと言える。
もちろん欲を言えば、前半のうちに複数得点で試合を決めてしまえれば理想的だったし、後半もあまりリスクを負わないなかでの攻撃精度があれば奪えた追加点もあった。そうした結果が後々、得失点差の勝負になった時に仇になる可能性も否定はできないが、何より勝点3を取るというリアリズムに向き合う時に、柴崎の時間軸のビジョンは頼もしかったし、目立たないながらも価値を示すプレーだった。
ボランチの競争は激しい。たとえば中国戦では出番がなかった守田英正であれば、別の特長で中盤にプラスをもたらすだろうし、スイスで奮闘する川辺駿や東京五輪組の田中碧にも違った持ち味がある。そして攻守両面での遠藤の存在感は日本に欠かせないものになっている。
そうしたなかで、柴崎としても中国戦で何度かトライしたミドルシュートを決め切る力とか、ゲームコントロール以外のところでプラスアルファが無いと、本大会まで生き残っていける保証は何も無い。
無論、そうした競争状態こそ柴崎は日本代表の健全なあり方として望んでいるものでもある。またレガネスに戻り、スペイン1部昇格を目指す戦いになるが、そこで個人の質という部分でも磨きをかけて代表に還元できるのかどうか注目していきたい。
取材・文●河治良幸
【W杯アジア最終予選PHOTO】日本1-0中国|“半端ない”大迫勇也が決勝ゴール!キッチリ勝点3獲得!
ボランチの競争は激しい。たとえば中国戦では出番がなかった守田英正であれば、別の特長で中盤にプラスをもたらすだろうし、スイスで奮闘する川辺駿や東京五輪組の田中碧にも違った持ち味がある。そして攻守両面での遠藤の存在感は日本に欠かせないものになっている。
そうしたなかで、柴崎としても中国戦で何度かトライしたミドルシュートを決め切る力とか、ゲームコントロール以外のところでプラスアルファが無いと、本大会まで生き残っていける保証は何も無い。
無論、そうした競争状態こそ柴崎は日本代表の健全なあり方として望んでいるものでもある。またレガネスに戻り、スペイン1部昇格を目指す戦いになるが、そこで個人の質という部分でも磨きをかけて代表に還元できるのかどうか注目していきたい。
取材・文●河治良幸
【W杯アジア最終予選PHOTO】日本1-0中国|“半端ない”大迫勇也が決勝ゴール!キッチリ勝点3獲得!