豪州に惨敗の中国が侮れない理由。不気味な帰化組の存在は?【W杯最終予選】

カテゴリ:日本代表

河治良幸

2021年09月06日

アランをスタメンに加え、勝負所でアロイージオ投入の流れか

豪州戦は不発に終わったエウケソンだが、チャンスを決め切る力はある。警戒すべき存在だ。(C)Getty Images

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 気になるのは中国のリ・ティエ監督が、オーストラリア戦に出なかったアラン、アロイージオという帰化組のアタッカー二枚を日本戦に起用してくるかどうかだ。オーストラリア戦ではFWエウケソンとDFティアス・ブラウニングという二人の帰化選手が先発起用された。広州恒大(現在の広州FC)や上海上港(現在の上海開港)で活躍してきたストライカーのエウケソンは2019年に中国代表デビュー。現在は不動のエースの地位を確立している。オーストラリア戦は前線で孤立気味だったが、常に危険なポジションを取っており、一本良いパスが通れば決めきる怖さがある。

 英国生まれながら中国にルーツがあるセンターバックのブラウニングも同年に帰化し、2020年に初招集を受けて主力に定着。デュエルの強いユ・ターパオとセンターバックのコンビを組み、守備面でリーダーシップを発揮している様子が見られる。中国がチーム強化のために進めている帰化政策はここまで身を結んでいないのが実情だが、もし日本に負けたら後がなくなってくる状況で、アランとアロイージオを起用してくる可能性は十分にある。

 アランは欧州時代にはザルツブルクなどで活躍し、2014-15シーズンにはオーストリア1部とヨーロッパリーグで得点王をダブル受賞したこともある大型ストライカー。ブラジルの名門サンパウロなどで活躍したアロイージオも強力なストライカーで、良い位置でボールを持てば、組織的に崩せないディフェンスを強引に突破して決めきる能力を備えている。
 
 攻撃面だけを考えるなら、エウケソンとアロイージオの2トップ、左サイドハーフにアラン、右サイドにスペイン1部のエスパニョールに所属するウー・レイを配置するのが、日本にとって脅威度が増す。その分、サイドの守備が心許なくなるので、攻守のバランスを考えている様子のリ・ティエ監督の策としては、アランをスタメンに加えて、勝負所でアロイージオを投入してくる流れか。

 オーストラリアが中国に取れたアドバンテージを日本がそのまま取れると考えるのは危険だ。いずれにしても、この試合を落としたほうが本大会出場をかけた戦いで遅れを取る形になり、監督の去就も取り沙汰される可能性が高い。引き分けに終わったとしても、両国にとって“痛み分け”となるだけに、お尻に火がついた同士の緊迫した試合になることは間違いない。

取材・文●河治良幸

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