劣勢は、逆説すればこれ以上ない腕試し。
日本の場合、Jリーグが開催中というのが最も大きな理由なのだろう。日程調整は容易ではない。しかし2ステージ制などで目先の利益獲得に動くのなら、なぜそこで代表と協力体制が取れなかったのか?
「Jリーグ主体のもうひとつのA代表」
それはJリーグへの人気還元にもつながったはずだ。直接的な利益は確約できないが、波及効果は計り知れなかった。
なによりも、日本サッカー界にとって最高の強化となる。不慣れな南米の地での戦いはハンデが大きく、実力を出し切れないケースも考えられる。日本はFIFAランク下位のベネズエラ、パラグアイ、ペルーにも劣勢を強いられ、参加12か国中、11番手か12番手の位置付けで挑むことになるだろう。
逆説すれば、これ以上の腕試しはない。
ワールドカップ・アジア2次予選を考慮し、今回メンバーに入らなかったJリーガーだけで構成するとしても(GKは二手に分けるなど、いくつかのポジションはA代表から数人を振り分ける)、A代表に追随する陣容は組める。2次予選の相手は劣弱で、どちらのA代表が国内orコパ・アメリカを戦うのか、という議論があってもいいほどだ。
ワールドカップ出場歴のある遠藤保仁、今野泰幸(ともにG大阪)、阿部勇樹(浦和)中村憲剛、大久保嘉人(ともに川崎)らベテラン勢、2013年の東アジア選手権を制した豊田陽平(鳥栖)、齋藤学(横浜)、工藤壮人、鈴木大輔(ともに柏)、高橋秀人(FC東京)、千葉和彦(広島)ら中堅組。さらに武藤雄樹(浦和)、輪湖直樹(柏)、杉本健勇(川崎)は進境著しい。
U-22代表メンバーでは、復帰に向けて治療中の大島僚太(川崎)、松原健(新潟)は有望だ。ザルツブルクの南野拓実も、選択肢のひとつだろう。個人的には鳥栖のMF、鎌田大地に注目している。この18歳は動きのなかで逆を突く術を会得しており、面白いようにパスを出し、シュートを放てる。代表入りは時期尚早だが、変則的編成だけに若き才能が大舞台に立ったら……。
現実の日本はコパ・アメリカに参加せず、これは妄想に過ぎない。しかし、“もうひとつのA代表”に期待を感じる人は少なくないだろう。ここに挙げた選手以外にも、相応な選手はいる。そう考えると、やはり辞退という決断が残念でならない。
日本は2019年大会以降のコパ・アメリカ参加を視野に入れ、今後は協議していくという。
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。01年にバルセロナへ渡りライターに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写。近著に『おれは最後に笑う』(東邦出版)。
「Jリーグ主体のもうひとつのA代表」
それはJリーグへの人気還元にもつながったはずだ。直接的な利益は確約できないが、波及効果は計り知れなかった。
なによりも、日本サッカー界にとって最高の強化となる。不慣れな南米の地での戦いはハンデが大きく、実力を出し切れないケースも考えられる。日本はFIFAランク下位のベネズエラ、パラグアイ、ペルーにも劣勢を強いられ、参加12か国中、11番手か12番手の位置付けで挑むことになるだろう。
逆説すれば、これ以上の腕試しはない。
ワールドカップ・アジア2次予選を考慮し、今回メンバーに入らなかったJリーガーだけで構成するとしても(GKは二手に分けるなど、いくつかのポジションはA代表から数人を振り分ける)、A代表に追随する陣容は組める。2次予選の相手は劣弱で、どちらのA代表が国内orコパ・アメリカを戦うのか、という議論があってもいいほどだ。
ワールドカップ出場歴のある遠藤保仁、今野泰幸(ともにG大阪)、阿部勇樹(浦和)中村憲剛、大久保嘉人(ともに川崎)らベテラン勢、2013年の東アジア選手権を制した豊田陽平(鳥栖)、齋藤学(横浜)、工藤壮人、鈴木大輔(ともに柏)、高橋秀人(FC東京)、千葉和彦(広島)ら中堅組。さらに武藤雄樹(浦和)、輪湖直樹(柏)、杉本健勇(川崎)は進境著しい。
U-22代表メンバーでは、復帰に向けて治療中の大島僚太(川崎)、松原健(新潟)は有望だ。ザルツブルクの南野拓実も、選択肢のひとつだろう。個人的には鳥栖のMF、鎌田大地に注目している。この18歳は動きのなかで逆を突く術を会得しており、面白いようにパスを出し、シュートを放てる。代表入りは時期尚早だが、変則的編成だけに若き才能が大舞台に立ったら……。
現実の日本はコパ・アメリカに参加せず、これは妄想に過ぎない。しかし、“もうひとつのA代表”に期待を感じる人は少なくないだろう。ここに挙げた選手以外にも、相応な選手はいる。そう考えると、やはり辞退という決断が残念でならない。
日本は2019年大会以降のコパ・アメリカ参加を視野に入れ、今後は協議していくという。
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。01年にバルセロナへ渡りライターに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写。近著に『おれは最後に笑う』(東邦出版)。