青森山田の黒田監督も「高校屈指のダブルボランチ」と絶賛する松木、宇野のコンビ
手も足も出させない戦いぶりで準決勝を突破した青森山田。では、なぜ相手を寄せ付けない完璧なゲームができたのだろうか。その答えはダブルボランチの存在だ。
「高校屈指のダブルボランチ」と黒田監督が手放しで称賛するふたりの存在感は抜群で、ボール奪取能力、展開力などボランチとしての総合値は高校年代で頭ひとつ抜けている。加えて、この両雄は得点力も兼ね備えており、松木は得点ランキングトップタイの5得点、宇野も2ゴールを挙げているのだから、まさに攻守両面でチームの大黒柱だ。
ボールを運ぶスキルや相手を外す術を心得ている静岡学園に対しても、そのパフォーマンスは変わらなかった。プレッシャーを掛け続けたサイドハーフや2トップが突破されても、松木と宇野が3列目でボールを刈り取る。ふたりの距離感も抜群で、絶妙な間合いで相手の行く手を阻んだ。
そこでボールを奪うと、ショートカウンターの起点としても機能。ふたり同時に上がることはほとんどなく、どちらかが中盤からボールを運んでチャンスに絡む。実際に松木が決めた先制点も、長い距離を駆け上がって生まれたものだった。
最終ライン、FW、SBが果たした役割は素晴らしい。しかし、彼らが機能したのは、松木と宇野が中盤の底にいたからこそ。松木が「(昨冬の高校サッカー)選手権の決勝では(先制点を)決めた後に守勢に回ってうまくいかなかった。その反省を踏まえ、(今回は)自分と禅斗の守備力でうまく補えた」と話した通り、ふたりが大きな役割を果たしたのは間違いない。
今大会は4試合で28得点を挙げ、1大会の最多ゴール記録を準決勝終了時点で塗り替えた。守っても5試合で2失点、うち4試合が完封。シュートを1本も撃たせなかった試合は3試合で、5試合合計でもわずか5本しか放たれていない。2005年度以来となる日本一に王手をかけた“高校サッカー界の横綱”。圧倒的な強さを支える“最強のダブルボランチ”がいる限り、青森山田の強さは揺らがない。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)
ボールを運ぶスキルや相手を外す術を心得ている静岡学園に対しても、そのパフォーマンスは変わらなかった。プレッシャーを掛け続けたサイドハーフや2トップが突破されても、松木と宇野が3列目でボールを刈り取る。ふたりの距離感も抜群で、絶妙な間合いで相手の行く手を阻んだ。
そこでボールを奪うと、ショートカウンターの起点としても機能。ふたり同時に上がることはほとんどなく、どちらかが中盤からボールを運んでチャンスに絡む。実際に松木が決めた先制点も、長い距離を駆け上がって生まれたものだった。
最終ライン、FW、SBが果たした役割は素晴らしい。しかし、彼らが機能したのは、松木と宇野が中盤の底にいたからこそ。松木が「(昨冬の高校サッカー)選手権の決勝では(先制点を)決めた後に守勢に回ってうまくいかなかった。その反省を踏まえ、(今回は)自分と禅斗の守備力でうまく補えた」と話した通り、ふたりが大きな役割を果たしたのは間違いない。
今大会は4試合で28得点を挙げ、1大会の最多ゴール記録を準決勝終了時点で塗り替えた。守っても5試合で2失点、うち4試合が完封。シュートを1本も撃たせなかった試合は3試合で、5試合合計でもわずか5本しか放たれていない。2005年度以来となる日本一に王手をかけた“高校サッカー界の横綱”。圧倒的な強さを支える“最強のダブルボランチ”がいる限り、青森山田の強さは揺らがない。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)