【三浦泰年の情熱地泰】日本五輪サッカーに「頑張った」とは言えない。世界との差はまだまだある!

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年08月15日

勝つということは醜くカッコ悪いもの

2大会連続の優勝を飾ったブラジル。世界トップレベルとの差をまざまざと見せつけられる大会となった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 結局、何がなんでも勝ちたい、負けたくないという本気モードの相手からは、三笘の0-3からの1点のみ。1勝はPK勝ちであり、大事な試合では90分間で勝てなかった。

 銅メダルの懸かった試合に3点リードされて点を取りに行った攻撃陣は攻め残り、奪われた後に止まって歩く。全力で戻る姿勢もなくなり、試合をオープンなものにしていた。

 困った時間帯、最後一矢報いたいという頃に、少し躍動感が生まれたのは三笘、旗手、板倉、上田が入ってから。相変わらずセンターフォワードとしての決定力には欠けていたが、僕の見た試合のなかで、上田は3位決定戦のメキシコ戦が一番良かった。

 そして本気のメキシコ選手が最も手を焼いていたのは、勝負が決まってから出場した攻撃の切り札である三笘だった。
 
 スペインとの延長戦で一番点が欲しい時に彼はベンチにもいなかった。チームがコレクティブでなかったことが分かる一面であろう。日本は何かが懸かった試合に弱い、プレッシャーに弱い、世界との差はまだまだ埋まっていない。そう言った方が日本サッカーの未来にとっては良いであろう。

 厳しいかもしれないが、開催国としてのプレッシャーはあるが、地の利もあった。どのチームもこの一瞬に準備をして努力をして見えない力と戦っている。それは日本の選手だけではない。

 よく頑張ったことは日本中の人が称賛するべきだと思う。ただ、目の前の試合内容に力の差と、メンタルの大きな違いを感じた。実力不足だ……。

 ヨーロッパでプレーしている選手を中心に闘った今回のオリンピック日本代表。

 サッカーを甘くみてはいけない。上には上がいる。謙虚にサッカーを知り、努力し、この悔しさを忘れずに大きな選手になってほしい。

 吉田麻也選手が前回の結果の悔しさから5年間努力しても、メダルには届かなかった。ならば、それ以上の努力をしなければ届かないことなのである。

 この3位決定戦、メキシコ代表の言動は醜いものだった。これが勝負の懸かった人間の普通の姿なのだ。これを否定するのは簡単だ。何がなんでも勝とうとしたメキシコが銅メダル獲得。必死さを前面に出せない日本は、容赦ない現実を目の前にするのだ。

 グループリーグのメキシコは普通であり、この最後の試合がメキシコの力なのである。

 勝つということはカッコ良いと思っているかもしれないが、勝つということは醜くカッコ悪いものなのである。

 野球とソフトボールは、大きなプレッシャーを乗り越えて優勝という結果を手にした。野球はアメリカ代表に2試合とも勝利し完全優勝だ。ソフトは予選リーグでアメリカ代表に敗れたものの、決勝戦では見事に勝利を掴んだ。

 さらにフェンシング男子団体も優勝という快挙。女子バスケットは決勝に進出し、アメリカには負けたものの立派な銀メダル。他スポーツのメダルを獲得した選手、出来なかった選手の一言一言には、「恩返し」「誰々のために」という言葉がスッと頭の中に入って来る。

 だが、サッカーに関して言えば、久保の言った「そんなもの何の意味も持たない」という言葉がしっくりくる。

 僕も同感だ。

 頑張るのは当たり前。良い準備をするのは当たり前。過去に活躍したことなど、今の試合には何の意味も成さないものなのである。
 
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