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「心を引き裂かれる思い」決勝で散った黄金世代、選手村で最終日を過ごし…【U-24スペイン代表の東京五輪滞在記3】

カテゴリ:国際大会

セルヒオ・サントス

2021年08月10日

「離れ離れになるのは寂しいよ」

ペドリ(左)やE・ガルシアは3年後のパリ五輪にも出場できる。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 スペイン代表のアンダーカテゴリーの歴史において、彼らは最も成功を収めた世代の一つだ。キャプテンのバジェホは、「これで終わってしまうのがとても残念だ。40日間続いた共同生活の中で、僕たちは本当の家族のように過ごしてきた。離れ離れになるのは寂しいよ」と素直な心境を吐露。怪我で決勝戦を欠場したセバジョスもこう続けた。

「チームメイトたちのことをとても誇りに思う。僕はこのチームではベテランだ。年下の選手たちのショックを受けた様子を見るのは心を引き裂かれる思いだ。僕たちが成し遂げたことの価値の大きさを理解させるように励ました」

 さらにエリク・ガルシアはまるでそのセバジョスの言葉に呼応するように「時間が経てば、銀メダルの価値が分かってくるはずだ」と気丈に語る。

 こうして選手たちは前向きに気持ちを整理し、全員が顔を揃える最後の日を過ごした。中にはセバジョスとアセンシオ、ダニ・オルモとハビ・プアドのように無二の親友同士の選手もいて、めいめいが再会を誓った。
 
 彼らが目指す次のステージはもちろんA代表だ。一方、E・ガルシア、ブライアン・ヒル、フアン・ミランダ、ペドリは年齢的に3年後のパリ五輪に出場資格を持っている。この2000年、2001年生まれの選手たちもまた今回は出場しなかったフェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)やアベル・ルイス(ブラガ)らも含めてU-17欧州選手権とU-19欧州選手権を制した黄金世代だ。

 2023年に開催されるパリ五輪出の欧州最終予選も兼ねたU-21欧州選手権の予選は9月に開幕する。地元開催の1992年バルセロナ五輪以来遠ざかっている金メダルを目指す新生スペイン代表の挑戦が、再びスタートする。

文●セルヒオ・サントス(アス紙五輪代表番)
翻訳●下村正幸
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