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ルイス・エンリケの続投はなぜ正しい判断だったのか 【バルサ番記者】が挙げる3つの理由

カテゴリ:メガクラブ

ルイス・フェルナンド・ロホ

2015年06月11日

メッシとの関係修復にも成功した。

リーガ優勝を決めメッシと喜びを分かち合う。エースとの関係修復は、続投へのひとつの鍵だった。 (C) REUTERS/AFLO

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 ふたつ目の理由は、メッシとの関係修復に成功したこと。
 
 1月の「アノエタの惨事」が決定的なきっかけとなり、L・エンリケとメッシは絶縁状態になった。メッシは練習に参加せず、指揮官は懲罰を与えようとした。両者の間に入ったシャビとアンドレス・イニエスタの仲裁がなければ、取り返しのつかない事態になっていただろう。以降、L・エンリケとメッシは言葉も交わさないほど関係が冷え込んだ。
 
 しかし、シーズンが進み、チームが勝利を重ねるにつれ、2人の間の緊張状態はほぐれていった。
 
 そして迎えたバイエルンとのCL準決勝。ペップ率いるバイエルンを退け決勝進出を決めたロッカールームで、L・エンリケとメッシは抱擁を交わした。互いに互いが欠かせない存在であると、そう認め合ったわけだ。
 
 3冠を達成したいまも、2人は友人ではない。だが、そもそも選手と監督が仲のいい友人である必要があるだろうか。オフの日に家族同士で食事をする必要はあるだろうか。
 
 プロフェッショナルとして互いを認め、同じ目標に向かって進むそれだけで十分だと、私は思う。2人の関係が冷え切ったままだったとしたら、監督を代える必要があっただろう。だが、指揮官とエースは新たな関係性を築いたのだ。
 
 最後の理由は、戦術的な進化をもたらしたこと。
 
 これまでのバルサが持たなかったカウンターという武器を、L・エンリケは採り入れ、機能させたのだ。
 
 引いた相手の穴を延々と探し続けるポゼッション一辺倒のサッカーから、トリデンテのスピードを活かしてスペースを突く縦に速いサッカーへ。新たなスタイルで3冠を達成した意義は大きい。
 
 前線からの守備はふたたび徹底され、さらにセットプレーの改善もL・エンリケの功績だ。セットプレーからの失点は減り、得点は増え、弱点が強みにさえなりつつある。
 
 L・エンリケはこれから、どんな新たな側面をチームにもたらしてくれるのか。3冠の余韻に浸りながらも、ファンは早くも新シーズンに心躍らせている。
 
【記者】
Luis Fernando ROJO|MARCA
ルイス・フェルナンド・ロホ/マルカ
スペイン最大の発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』でバルセロナ番を20年以上務め、現在は同紙のバルセロナ支局長。ヨハン・クライフら往年の選手とも親交が深く、ジョゼ・モウリーニョとはロブソンの通訳時代から親密な関係を築く。
【翻訳】
豊福晋
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