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酒井に代わってNZ戦に出場か?橋岡大樹の才能を育んだある家族と指導者たちとの出会い【東京五輪メンバーのルーツ探訪】

カテゴリ:日本代表

河野 正

2021年07月31日

まさに“メイド・イン・ウラワ”

グループリーグ3戦目のフランス戦で今大会初出場。酒井が出場停止のニュージーランド戦でも出番はあるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 さいたま市南部少年指導者協議会の技術委員長も務める町田は、大分トリニータ・町田也真人の父で、11年5月10日にスタートした浦和レッズジュニアアカデミーの発足にも参画。旧浦和市の少年団から5、6年生を選抜し、レッズのコーチ陣に指南してもらうプログラムだ。

 橋岡はその一期生で、当時指導した内舘秀樹・現ジュニアユース監督の印象は、町田と同じだった。

「スピードと身体能力の高さはずば抜けていた。引退して2年半くらいで私もまだ動けた頃なのに、本気にならないと速さで小6にやられてしまいそうなこともありました」

 レッズのジュニアユース加入後、勝野ファミリーとの絆は一層固くなる。兄と瑛は3年早くレッズの下部組織に進んでいた。

 中学2年でDFに転向した橋岡は、3年生になると大槻毅監督の目に留まり、ユースへの“飛び級”を果たす。日本クラブユース選手権(U-18)関東大会2次リーグは5月31日の第2節から、プリンスリーグ関東は7月6日の第7節から先発し、15歳が高校生と互角に渡り合った。

 試合では、特にCBの兄とボランチの瑛が右SBの橋岡を手厚く援助し、文句や注文をつけながらもみんなが大事にしてくれた。「天性の明るさ、脚がつっても走り抜くひたむきさがあったから、先輩が守ってくれたのでしょう」と勝野。
 
 橋岡がユース在籍時、町田は「浦和の少年団出身でレッズのアカデミーを経由してプロになれるのは大樹だね、って指導者の間では話題になっていました」と述懐する。

 いとこで、陸上男子走り幅跳びの橋岡優輝も東京五輪代表を決めた。互いに好成績を残し「最後にいとこ同士で笑って写真でも撮りたい」と大樹はメダルへ闘志をたぎらせる。

 第9回全日本少年大会で、FC浦和が初優勝した時のメンバーでもある内舘が、いかにも浦和人らしいいかしたエールを送った。

「浦和の出身ですからね、五輪でも浦和を背負って戦ってほしい」

“メイド・イン・ウラワ”。そう、橋岡はサッカーの街が無尽蔵に育ててきた才能のひとりなのだ。(文中敬称略)

取材・文●河野 正(フリーライター)

※サッカーダイジェスト2021年7月22日号から転載。

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