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ロンドン五輪3位の韓国を指導。池田誠剛フィジコが明かす五輪コンディショニングの肝とは?「今回は日本ほど優位な国はない」

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2021年07月16日

サブ組ながら仲間をグイグイ引っ張った元Jリーガー

2012年ロンドン五輪で、日本は韓国と3位決定戦で対戦した。(C) Getty Images

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 とはいえ、試合・移動・調整を短いサイクルで繰り返すのは大変だ。そこで重要になってくるのが、試合出場機会の少ないサブ組のトレーニング。それを痛感させたのが、8月4日の英国との準々決勝だった。

「右サイドバック(SB)で先発したキム・チャンス(蔚山現代)が前半の早い時間に骨折し、プレー不可能になったんです。そこで、ここまでサブに回っていたオ・ジェソクが急きょ出場。延長・PK戦まで戦い抜き、4強入りしたのですが、彼のパフォーマンスは非常に高かった。それは1次リーグの間から練習に取り組んでくれた成果だと思います。

 期間中には次の会場に移動して30分後から練習開始という慌ただしい状況もあったんですが、彼が『みんな、やるぞ』と声をかけ、グイグイと仲間を引っ張ってくれました。国際大会になれば、主力とサブと構図がどうしても出てくる。そこでサブが高い意識と意欲を持って、イザという状況に備えられるかが肝心。オ・ジェソクのような存在がいるか否かで雰囲気も選手層も大きく変わる。短期決戦の五輪は特にそう。そこは改めて強調しておきたい点ですね」(池田コーチ)
 
 8月7日の準決勝・ブラジル戦、10日の3位決定戦・日本戦も韓国は17人の登録メンバーで戦っている。その段階で疲労はピークに達し、痛いところのない選手は皆無と言っていい状況だったが、ホン・ミョンボ監督(蔚山現代)は主力を大きく変えようとはしなかった。それも個々の状態とメンタル面を見極めたうえでの判断だったと池田コーチは言う。

「『A選手は準決勝を90分フルで戦ったから決勝は60分』とか『B選手はどちらも60分ずつ』といった判断はメディカルスタッフとフィジカルコーチが細かい相談をしたうえで、監督が最終判断を下します。ホン・ミョンボ監督はスタメンをほぼ固定して3決に挑むことを決めました。日本との試合ではカーディフのピッチ状態の悪さ、日本の特徴を踏まえて、つなぐサッカーをするよりもあえてロングボールを多用するスタイルが有効だと判断したんです。ただ、それを貫くには走力で負けないという絶対的自信が必要だった。そこは大会前からしっかりやってきたので、私自身はベースがあると思っていた。その成果がメダルという形で表われたと考えています」
 
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