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イタリアはなぜ“悲劇”から立ち直り、欧州制覇を果たせたのか? 番記者が明かす舞台裏【現地発】

カテゴリ:国際大会

マルコ・パソット

2021年07月15日

親密さを物語るエピソードは山のようにある

今回のアッズーリの一体感は特別だったとパソット記者は明かす。(C)Getty Images

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 もう一つの強みは、“選手全員”のチームだったことだ。これほど親密で一体感のある代表は珍しい。「ひとつにまとまったチーム」とはサッカーの世界では聞きなれたフレーズで、選手たちも一つ覚えのようによく唱えるが、今回のアッズーリに関しては掛け値なしの本物だった。

 選手だけでない。コーチ、スタッフの全てが、本当に仲が良い。それは間近で彼らを見ていてよくわかった。インシーニェがチーロ・インモービレの部屋のクローゼットに隠れて昼食から帰って来た彼を驚かせたり、マッテオ・ペッシーナとマヌエル・ロカテッリの終わりなき卓球対決があったり……。ポジションを争うアンドレア・ベロッティとインモービレは大の親友だ。

 他にも、初戦のトルコ戦でチームバスがチームコーディネーターのジャンルカ・ヴィアッリを置いて行ったら勝利したので、毎回ヴィアッリを積み残すことが恒例行事になったなど、彼らの親密さを物語るエピソードは山のようにある。勝利すればバスの中は毎回全員で大合唱。レオナルド・スピナッツォーラが怪我で離脱してからは、彼へのエールも欠かさなかった。

 これほど仲が良い理由の一つは、このチームにはプリマドンナがいないことだ。スターはおらず、一人ひとりが皆それぞれ輝いた。キリアン・エムバペもクリスチアーノ・ロナウドもいない。本物の一流と言える選手は守護神のジャンルイジ・ドンナルンマぐらいだが、彼は元々スター気取りをするのが大嫌いな青年だ。
 
 皆で協力してプレーし、全員でゴールを狙うことで、誰もが自分はこのチームにとって重要であると感じることができたのだ。それはマンチーニが26人中25人の選手を使ったことからもそれはよくわかる。唯一使われなかったのはアレックス・メレトだが、彼は第3GKだったので仕方ないだろう。

 イングランドとの決勝では、延長戦で多くの交代カードを切った。通常ならば替わって入るのはレベルが落ちる選手だが、今回のアッズーリに限っては、それはなかった。大会を通して、交代選手が活躍した試合が何度もあった。
 
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