大会を制するのは、主力がピッチに立てなくても代役が堂々と不安を払拭するようなプレーをするチーム
本番直前のスペイン戦は、おそらく最後の試金石として通常以上にスタメンで戦う時間が長くなる。だからこそホンジュラス戦では、本大会ではバックアップに回りそうな板倉滉、橋岡大樹、町田浩樹らに、もっと十分なプレー時間を与え、出来ればそのまま橋岡を右、相馬勇紀を左ウイングバックに配した3バックへの適応ぶりなども試しておきたいところだった。
日本が金メダルを獲得するには、6戦目に最高の力を引き出す必要がある。だが6試合も戦えば、当然代えの効かない主力がピッチに立てなくなる可能性も十分にある。逆に大会を制するのは、それでも代役が堂々と不安を払拭するようなプレーをするチームだ。確かに欧州を制覇したイタリアもCB(ボヌッチ、キエッリーニ)とアンカー(ジョルジーニョ)は、原則固定に近かった。しかし日本も同じように、吉田麻也、冨安健洋、遠藤航が揃って故障もカード累積もない保証はどこにもない。まして酒井宏樹の指定席になっているサイドバックは最も負荷の高いポジションで、ひとりで6試合を走り抜くのは不可能だし、そんなことをしていたら試合を重ねるごとにコンディションが低下して、メダルを争う頃には疲弊し切ってしまう。
日本が金メダルを獲得するには、6戦目に最高の力を引き出す必要がある。だが6試合も戦えば、当然代えの効かない主力がピッチに立てなくなる可能性も十分にある。逆に大会を制するのは、それでも代役が堂々と不安を払拭するようなプレーをするチームだ。確かに欧州を制覇したイタリアもCB(ボヌッチ、キエッリーニ)とアンカー(ジョルジーニョ)は、原則固定に近かった。しかし日本も同じように、吉田麻也、冨安健洋、遠藤航が揃って故障もカード累積もない保証はどこにもない。まして酒井宏樹の指定席になっているサイドバックは最も負荷の高いポジションで、ひとりで6試合を走り抜くのは不可能だし、そんなことをしていたら試合を重ねるごとにコンディションが低下して、メダルを争う頃には疲弊し切ってしまう。
今回の日本が史上最強のメンバーを集められたことは間違いない。24歳以下の選手たちだけでも過去最高の経験値があるのに、そこに理想のオーバーエイジが加わった。しかし目標に到達するために不可欠なのは、いかに登録22人をフル活用するかという総力戦のビジョンだ。特に5人交代制だからこそ、迅速な決断が重要なテーマになる。
文●加部 究(スポーツライター)
文●加部 究(スポーツライター)