たどり着いたのが「戦術=フェライニの活用」という“オチ”
山中:戦術に関して、田邊さんが気になったテーマやチームはありますか?
田邊:シーズン序盤だと、やはりファン・ハールの3バックが大きな話題になっていましたよね。イングランドでもそうだったじゃないですか?
山中:ええ。タブロイド、ブロードシート(高級紙)、BBCやスカイといったあたりはもちろん、名前を聞いたことがないようなブロガーまで雨後の筍のように出てきて、ファン・ハールの3バック革命なるものを論じ始めた。
田邊:その意味では、戦術論自体を活性化させた側面もある。
山中:でもファン・ハールの3バックは「雨後の筍」というよりも、土砂降りで筍が根腐りしてしまいそうだった(苦笑)。
田邊:とくに序盤は酷かったですからね。ファン・ハールは名将どころか、モイーズ以下の監督だったんじゃないかとさえ言われて(苦笑)。
山中:システム自体が二転三転したし、ファン・ハールはFWやMF、DFという各ラインにうまくはまる選手を探すのに追われてしまった。
で、最終的にたどり着いたのが「戦術=フェライニの活用」だったというすごいオチ(笑)。
田邊:ただ好意的な見方をすれば、試行錯誤が続いた分だけ、見ている側としては面白かった。逆にシティなどは、さほど戦術も代わり映えしないまま、不完全燃焼のシーズンに終始してしまっている。
山中:攻撃にこだわるのはいいんですけどね。でもCL優勝を目標に掲げるようなチームとしては、戦術やシステム論的なアイデアの面でも、もう少し深さやバリエーションが欲しかった。
田邊:夏の移籍市場でボランチのフェルナンドやDFのマンガラを買った時には、いよいよ戦術的に一皮剥けるんじゃないか、ペレグリーニが攻撃的なサッカーを貫きつつ、守備の固さも両立させる新しいアイデアを見せてくれるんじゃないかと思ったんですが。
山中:若い選手だからしょうがないにしても、とくにマンガラが期待外れに終わったのは誤算でしたね。
僕もシーズンの最初にシティの試合を取材した時には、身体もあるしプレミア向きの選手なのかなと思ったんですが、ゲームのスピードに頭の回転がついていかない感じが最後まで残った(笑)。
田邊:フェルナンドもインパクトがなかったしなあ。
山中:そんな事情もあって、シーズンを通してみた時には、戦術論がさほど活性化し続けなかった印象が強い。これは贔屓の引き倒しじゃないんですが、唯一、戦術的な進化がうかがえて、かつ結果も出したのはモウリーニョのチェルシーぐらいだったのかなという。
田邊:明らかに贔屓の引き倒しですけど、僕もそう思います(笑)。
実際、モウリーニョは2列目の選手のセレクトと組み合わせ方、セスクの使い方に関しても、かなり面白い戦術の実験を密かに続けていた。「偽のウインガー」もそのひとつです。
山中:でも一般的には、ほとんど注目されていなかった。
田邊:ええ。だから知人の記者を通じて、戦術実験の話題に水を向けた時には、モウリーニョ本人がかなり驚いたらしい。
いずれにしても、山中さんがおっしゃったように、戦術の革新性においてもチェルシーに対抗できるチームはなかった。それもまた、全体的に試行錯誤が続いたシーズンだったという印象を与えているんだと思います。
田邊:シーズン序盤だと、やはりファン・ハールの3バックが大きな話題になっていましたよね。イングランドでもそうだったじゃないですか?
山中:ええ。タブロイド、ブロードシート(高級紙)、BBCやスカイといったあたりはもちろん、名前を聞いたことがないようなブロガーまで雨後の筍のように出てきて、ファン・ハールの3バック革命なるものを論じ始めた。
田邊:その意味では、戦術論自体を活性化させた側面もある。
山中:でもファン・ハールの3バックは「雨後の筍」というよりも、土砂降りで筍が根腐りしてしまいそうだった(苦笑)。
田邊:とくに序盤は酷かったですからね。ファン・ハールは名将どころか、モイーズ以下の監督だったんじゃないかとさえ言われて(苦笑)。
山中:システム自体が二転三転したし、ファン・ハールはFWやMF、DFという各ラインにうまくはまる選手を探すのに追われてしまった。
で、最終的にたどり着いたのが「戦術=フェライニの活用」だったというすごいオチ(笑)。
田邊:ただ好意的な見方をすれば、試行錯誤が続いた分だけ、見ている側としては面白かった。逆にシティなどは、さほど戦術も代わり映えしないまま、不完全燃焼のシーズンに終始してしまっている。
山中:攻撃にこだわるのはいいんですけどね。でもCL優勝を目標に掲げるようなチームとしては、戦術やシステム論的なアイデアの面でも、もう少し深さやバリエーションが欲しかった。
田邊:夏の移籍市場でボランチのフェルナンドやDFのマンガラを買った時には、いよいよ戦術的に一皮剥けるんじゃないか、ペレグリーニが攻撃的なサッカーを貫きつつ、守備の固さも両立させる新しいアイデアを見せてくれるんじゃないかと思ったんですが。
山中:若い選手だからしょうがないにしても、とくにマンガラが期待外れに終わったのは誤算でしたね。
僕もシーズンの最初にシティの試合を取材した時には、身体もあるしプレミア向きの選手なのかなと思ったんですが、ゲームのスピードに頭の回転がついていかない感じが最後まで残った(笑)。
田邊:フェルナンドもインパクトがなかったしなあ。
山中:そんな事情もあって、シーズンを通してみた時には、戦術論がさほど活性化し続けなかった印象が強い。これは贔屓の引き倒しじゃないんですが、唯一、戦術的な進化がうかがえて、かつ結果も出したのはモウリーニョのチェルシーぐらいだったのかなという。
田邊:明らかに贔屓の引き倒しですけど、僕もそう思います(笑)。
実際、モウリーニョは2列目の選手のセレクトと組み合わせ方、セスクの使い方に関しても、かなり面白い戦術の実験を密かに続けていた。「偽のウインガー」もそのひとつです。
山中:でも一般的には、ほとんど注目されていなかった。
田邊:ええ。だから知人の記者を通じて、戦術実験の話題に水を向けた時には、モウリーニョ本人がかなり驚いたらしい。
いずれにしても、山中さんがおっしゃったように、戦術の革新性においてもチェルシーに対抗できるチームはなかった。それもまた、全体的に試行錯誤が続いたシーズンだったという印象を与えているんだと思います。