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【喜熨斗勝史の欧州戦記|第3回】セルビアから見たジャパン評は「面倒くさい相手」。選手も「日本代表のパスの回し方は勉強になる」

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2021年06月21日

分析はしていたが、目の前でやられてビックリした

話し合うセルビア代表のスタッフ陣(喜熨斗コーチは上段中央)。日本戦では収穫もあったという。ⓒセルビアサッカー協会

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 対戦国として対峙した日本代表の印象は“面倒くさい相手だな”ということ。欧州では日本人は我慢強いと見られています。それは守備だけではなく、実は攻撃でも当てはまります。

 我々の若手は我慢できずに縦に蹴ってしまうシーンがありましたが、日本代表はサポートを早くして互いの距離を縮め、焦らず組織的にパスを回して、攻撃のタイミングを待つ。そして局面を崩していく。

 分析はしていたのですが、目の前でやられてビックリしました。試合後、主将のDFステファン・ミトロヴィッチ(ストラスブール)やMFネマニャ・マクシモヴィッチ(ヘタフェ)も「日本代表のパスの回し方は勉強になる」と言っていました。

 そして今後、練習メニューを作成する際に「ああいう風にプレーしたいから、こういうトレーニングをするのか」と分かってもらえるので、私自身にとってもセルビア代表選手が日本サッカーを体感してくれたことは大きかった。ミスターのポリシーは攻撃サッカー。もっとブラッシュアップしていかないといけませんし、日本のやり方をオプションとして付け加えるかもしれないです。
 
 一方、日本代表に付け加えるならば、ミスターも試合後に話していましたが面倒くさいなと感じさせた“その先”が必要かと。何度か危ないシーンは作られましたが、徐々にどこを抑えるかべきか、どこに来たら止めるべきかが分かりました。

 現在行なわれているEURO2020でも見られるように、得点を奪ったあとにさらに畳みかける、どんな形でも追加点を奪いにいくような力強さや迫力は足りないのかな、と肌で感じました。

 そして改めて「今度はコロナ禍じゃない日本に、セルビア代表として戻ってきたい」と強く願いました。今遠征はバブル方式(選手や関係者の外部との接触を遮断)で、外出できるのは練習時のみ。外気を吸うことも太陽光を浴びることも少ないので時差調整やコンディション作りは難しく、気分転換もままならない日々でした。

 ミスターもホテルの窓から見える夜景を見ながら「KOBE……」と残念そうに呟いていました。当然ですが、日本にいる友人と会うことも不可能。名古屋時代の盟友でもあるマツ(松浦紀典/京都ホペイロ)の計らいでミスターの好きな鮎を届けてもらえたのは良かったですけど、次こそお互いにベストメンバー、ベストなコンディションで試合をしたいですね。
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