4-2-3-1、4-3-3は重要なオプションに
18名の中に、スーパーサブ一択の選手は皆無。どの選手を使っても、一気に力が落ちるというケースは考えられない。それでも、頼れる切り札をベンチに残して臨むのが、高倉監督のやり方だ。
信頼感の厚い籾木結花(OLレインFC/アメリカ)の投入が、ギアチェンジの号砲になる。また、近くに籾木同様、ベレーザでプレー経験のある選手を置けば、ポジションの入れ替えや細かなパス交換など、崩しのパターンは増える。
今年は試合の後半に、4-2-3-1、4-3-3も試されてきた。試合展開やチームの台所事情によっては、本大会でも重要なオプションになり得る。
2年前の女子ワールドカップではボランチを務めた杉田妃和(INAC神戸レオネッサ)は、トップ下や左に開いた位置でテストされている。サイドバックでの先発も予想される北村菜々美(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)は、左右を問わず、スクランブル時の使い勝手が抜群に良い。
4-3-3は、現状、ボールの奪いどころが安定していないが、これは、前の選手に個性を最大限発揮させるための布陣だ。最前線に置いた田中美南(INAC神戸レオネッサ)には得点力を発揮してほしい。持てる能力とゴール数の落差に縛られてきていたが、組み立てに関わるなどプレーの幅を広げ、精神的な余裕も生まれた。本番前に得点感覚が戻ったのも好材料だ。
ウイング候補の一番手には、外国人選手にも引けを取らないスピードを持つ遠藤純(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)。精力的な動きで好調をアピールしている。
信頼感の厚い籾木結花(OLレインFC/アメリカ)の投入が、ギアチェンジの号砲になる。また、近くに籾木同様、ベレーザでプレー経験のある選手を置けば、ポジションの入れ替えや細かなパス交換など、崩しのパターンは増える。
今年は試合の後半に、4-2-3-1、4-3-3も試されてきた。試合展開やチームの台所事情によっては、本大会でも重要なオプションになり得る。
2年前の女子ワールドカップではボランチを務めた杉田妃和(INAC神戸レオネッサ)は、トップ下や左に開いた位置でテストされている。サイドバックでの先発も予想される北村菜々美(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)は、左右を問わず、スクランブル時の使い勝手が抜群に良い。
4-3-3は、現状、ボールの奪いどころが安定していないが、これは、前の選手に個性を最大限発揮させるための布陣だ。最前線に置いた田中美南(INAC神戸レオネッサ)には得点力を発揮してほしい。持てる能力とゴール数の落差に縛られてきていたが、組み立てに関わるなどプレーの幅を広げ、精神的な余裕も生まれた。本番前に得点感覚が戻ったのも好材料だ。
ウイング候補の一番手には、外国人選手にも引けを取らないスピードを持つ遠藤純(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)。精力的な動きで好調をアピールしている。

CFでスタメン候補の田中。本番前に得点感覚が戻ったのは好材料だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

オプション2:4-3-3/ボールの奪いどころが安定していないが、前の選手に個性を最大限発揮させるための布陣。
こうした強力なアタッカー陣に、糸を引くようなロングフィードを通すのは、南が得意とするプレーだが、専売特許ではない。FWからCBに転じた宝田沙織(ワシントン・スピリット/アメリカ)も、鹿児島合宿以来、正確で力強いキックで速攻パターンを開拓したひとり。ウクライナ戦ではA代表初ゴールを決めている。
年代別代表を皮切りに、19年の女子ワールドカップまで、何度も世界大会に臨む選手の絞り込み作業を行なってきた指揮官をもってしても、選考は難航したという。今大会はコロナ禍の影響もあり1試合5人の交代枠が使えるレギュレーションだが、「(交代枠が3人であれば選考選手も)ちょっと変わったかも知れない」(高倉監督)という僅差だった。
これだけ厚みのある選手層を作り上げ、悩みに悩んで最終的な断を下した指揮官。そして、ハイレベルな競争の中にありながら、最後まで自らにベクトルを向け続けた選手たち。どちらにも、心からリスペクトしたい。このチームに携わってきた全員の想いがひとつとなり、最良の結果を掴めるよう、心から願う。
取材・文●西森彰
【PHOTO】なでしこジャパンに欠かせない存在へ!右サイドを駆け上がる清水梨紗!
【PHOTO】1G2Aと3得点に絡み、攻撃を牽引した岩渕真奈を特集!
年代別代表を皮切りに、19年の女子ワールドカップまで、何度も世界大会に臨む選手の絞り込み作業を行なってきた指揮官をもってしても、選考は難航したという。今大会はコロナ禍の影響もあり1試合5人の交代枠が使えるレギュレーションだが、「(交代枠が3人であれば選考選手も)ちょっと変わったかも知れない」(高倉監督)という僅差だった。
これだけ厚みのある選手層を作り上げ、悩みに悩んで最終的な断を下した指揮官。そして、ハイレベルな競争の中にありながら、最後まで自らにベクトルを向け続けた選手たち。どちらにも、心からリスペクトしたい。このチームに携わってきた全員の想いがひとつとなり、最良の結果を掴めるよう、心から願う。
取材・文●西森彰
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