本田は新生ミランの“出発点”であり新加入選手の見本となる。

本田とメネーズ、そして若くて有能なイタリア人選手でフィールドプレーヤーを構成し、ディエゴ・ロペスが最後の砦を務める――。ベルルスコーニ・オーナーが描く新シーズンのミランの基本構成だ。外国人選手3人はいずれも、現時点では残留を希望しているという。 (C) Getty Images
監督が決まると、やっと選手の去就も決まってくる。監督というものは、自分のテクニカルスタッフの他に、自分らしい戦術というものも引っ提げてやってくる。例えば、インザーギなら4-3-3で、そのために彼は常に両サイドに優秀なアタッカーを欲していた。
しかし、チームを大きく改革する時にも、ベースとなる選手は必要だ。選手を全取っ替えしてしまったら、それこそ混乱して大変なことになってしまうだろう。
さて、ここからはベルルスコーニに非常に近い、ある人物から聞いた話だ。オーナーは彼に、新生ミランには「外国人選手の数は極力減らしたい」「できるだけイタリア人選手、それもアズーリ級の選手で固めたい」と語ったという。
そして、彼が今のチームで残したいと思っている外国人選手の名を3人挙げたそうだ。ディエゴ・ロペス、ジェレミー・メネーズ、そして本田圭佑だ。
オーナーが残したいと思っている、数少ない外国人選手のひとりが本田だった。なぜか?ベルルスコーニは、テクニカルで頭の良い選手が好きだ。また、礼儀正しくて高いプロ精神を持った人間も。これらは全て、本田が常日頃から見せているものである。
反対に、マリオ・バロテッリのようなタイプは、ベルルスコーニ・オーナーが最も嫌うものであり、彼のことを“腐ったリンゴ”と呼んでいたほどだ。選手としての才能が多少劣っていても、きちんとしたプロ意識を持った選手を彼は好む。
その点で、ディエゴ・ロペスも本田もオーナーのお眼鏡に適う存在だ。メネーズだけはその範囲ではないが、彼の16ゴールがなかったら、ミランはセリエB降格の危機にすら瀕していたかもしれない。現状で、彼を手放すことはできないだろう。
とにかく、ベルルスコーニ・オーナーも認めたこの3人こそが、来シーズンのミランの礎となる。
ミランにとっても、本田個人にとっても残念なシーズンを過ごすなかで、本田がミランを出ていくという声が多く聞かれた。しかし彼のやる気と自己犠牲の精神が、それらを吹き飛ばしてしまったようだ。
本田は新生ミランの“出発点”であり、ピッチ内外での彼の行動は、新たにミランに加入する選手たちの手本となるだろう。
逆に言えば、こうした考えの基に、本田には絶対ミランに残ってもらいたいという願いを込めて、オーナーは本田の名前を挙げたのではないだろうか。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
しかし、チームを大きく改革する時にも、ベースとなる選手は必要だ。選手を全取っ替えしてしまったら、それこそ混乱して大変なことになってしまうだろう。
さて、ここからはベルルスコーニに非常に近い、ある人物から聞いた話だ。オーナーは彼に、新生ミランには「外国人選手の数は極力減らしたい」「できるだけイタリア人選手、それもアズーリ級の選手で固めたい」と語ったという。
そして、彼が今のチームで残したいと思っている外国人選手の名を3人挙げたそうだ。ディエゴ・ロペス、ジェレミー・メネーズ、そして本田圭佑だ。
オーナーが残したいと思っている、数少ない外国人選手のひとりが本田だった。なぜか?ベルルスコーニは、テクニカルで頭の良い選手が好きだ。また、礼儀正しくて高いプロ精神を持った人間も。これらは全て、本田が常日頃から見せているものである。
反対に、マリオ・バロテッリのようなタイプは、ベルルスコーニ・オーナーが最も嫌うものであり、彼のことを“腐ったリンゴ”と呼んでいたほどだ。選手としての才能が多少劣っていても、きちんとしたプロ意識を持った選手を彼は好む。
その点で、ディエゴ・ロペスも本田もオーナーのお眼鏡に適う存在だ。メネーズだけはその範囲ではないが、彼の16ゴールがなかったら、ミランはセリエB降格の危機にすら瀕していたかもしれない。現状で、彼を手放すことはできないだろう。
とにかく、ベルルスコーニ・オーナーも認めたこの3人こそが、来シーズンのミランの礎となる。
ミランにとっても、本田個人にとっても残念なシーズンを過ごすなかで、本田がミランを出ていくという声が多く聞かれた。しかし彼のやる気と自己犠牲の精神が、それらを吹き飛ばしてしまったようだ。
本田は新生ミランの“出発点”であり、ピッチ内外での彼の行動は、新たにミランに加入する選手たちの手本となるだろう。
逆に言えば、こうした考えの基に、本田には絶対ミランに残ってもらいたいという願いを込めて、オーナーは本田の名前を挙げたのではないだろうか。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。