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個々のアピールが見られたタジキ戦。1失点も、水際で落ち着きを維持した後ろの頑張りは好印象

カテゴリ:連載・コラム

河治良幸

2021年06月09日

後半の良い流れにつながる南野のゴール

本田に並ぶW杯予選7試合連続弾の南野。持ち前の決定力でペースを引き込んだ。(C)JMPA代表撮影

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 それでもシュート自体はこの1本しか打たれておらず、タジキスタンのチャンスメイクの精度不足に助けられた部分があるにせよ、水際での落ち着きを維持できたのは後ろの頑張りによるところが大きい。

 GK権田修一に加えて、代表での初先発となった中谷と2年ぶりの代表となる昌子のセンターバック二枚が、慌てることなくジャリロフとマルボエフへのボールを跳ね返したこと、さらに橋本のカバーリングも随所に効いていた。

 それでも、高い位置で攻撃する時間を長くして、相手ボールになってもプレスをかけて即時奪回するのが理想ではある。そこに関しては前半を通してうまくできていなかったが、嫌な流れになりかけていた40分に、古橋の飛び出しが勝ち越しゴールを呼び込んだ。中谷から大外でボールを受けた山根が左足で縦パスを古橋に通し、ダイレクトのマイナスクロスに南野が飛び込んでスライディングで押し込んだ。

「前半チャンスはそんなに多くなかったんですけど、そのなかで、ああいうクロスでニアに飛び込むとか、こぼれ球とか、そういう鼻が効く、ボックス内でのプレーでゴールにつながるんじゃないかという感じがしていた」

 そう振り返る南野。ワールドカップ予選における本田圭佑に並ぶ7試合連続ゴールは後半の良い流れにつながるゴールでもあった。後半もタジキスタンはデュエルの強さを生かしたタイトな守備と、後ろからの組み立てにドリブルを織り交ぜて来たが、前半に比べると橋本と川辺の守備位置が高く、南野に代わって投入された鎌田大地のタメ、右サイドに入った坂元達裕のクロスが攻撃に厚みをもたらした。
 
 南野と鎌田が“Wトップ下”のようになる普段と異なり、ストライカーの古橋とドリブラーの坂元が左右にポジションを取る状況で、川辺が前目に出て鎌田をサポートする形を取るようになったことも、攻撃の循環が良くなった理由の1つだろう。またディフェンス間でのボール回しも前半より良くなっていた。

「初めて組むペアや選手が多かったですし、最初はうまくいかなくても試合の90分を通してどんどん良くなっていくことは試合でも感じてましたし、試合前から想定はしていた」

 昌子がそう振り返るように、やはり戦術的な理解だけでなく、受け手と出し手の呼吸やリズム1つでもロジカルに解決できる部分と、選手の皮膚感覚を合わせることでしか良くならない部分がある。後ろのつなぎが安定してくれば、アタッカーも安心して高い位置で仕掛けることができる。守備の連動もそうだ。

【PHOTO】また決めた!本田に並ぶW杯予選7試合連続ゴールを決めた南野拓実!
 
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