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【短期連載】『AKB48の経済学』著者に訊く“Jリーグと日本経済”第3回「JリーグとAKB48の類似性」

カテゴリ:Jリーグ

石田英恒

2015年05月23日

コア層に支えらえているのはJリーグもAKBも同じ。

デフレの中で大きく成長した一例が、コアなファンに支えられてきたAKB48。ただ、ポストデフレに向けてその人気は陰りが見え始め、Jリーグも同じような状況下にあるという。(C)Getty Images

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――デフレ経済はJリーグにも大きな影響を与えたのですね。
 
「バブル崩壊後は、80年代型の成長経済モデルが通用しなくなりました。以前の成長経済モデルが通用しなくなったことがJリーグに反映され、現在のJリーグ低迷のひとつの要因になっています。
 
 デフレ下では選択肢が少なくなり、『ガラパゴス化』が起きます。ひとつの文化が、一部のマニアックなファンのためのものとなり、一般のファンが離れて『ガラパゴス化』が進んでいく現象です。
 
 今のJリーグは、コアなファン、サポーターに支えられていると思います。彼らは、北海道から沖縄までを移動して応援を続け、年間を通せば大きな金額をサッカー界に落としてくれています。
 
 これは、デフレ下での典型的なビジネスモデル。アイドル業界も同じで、アイドルを支えているのはコアなファンです。
 
 そして、デフレの中で大きく成長したひとつの例が、AKB48です。AKB48は、制作者がデフレ下でコアなファンから徹底的に利益を上げる手法を追求した結果の、究極のビジネスモデルと言えます。
 
 AKB48のCDセールスは100万枚を超えていますが、実際は数万人程度のコアなファンが、握手券や投票券欲しさに同じCDを何枚も買っているだけです。コアなファンが、自分が使えるお金を最大限使っているだけで、結局、無限にその人たちの所得が増えるわけではないので、成長は限界があります」
 
――確かに、一時の爆発的な勢いには陰りが感じられます。
 
「実際に2013年以降、AKB48のiTunesでのダウンロード数は右肩下がりです。AKB48の絶対的な売り上げは、デフレ脱却とともに低下。ポストデフレに向けて、AKB48人気に陰りが見えてきたのです。
 
 今、コアなファンに支えられているJリーグも、AKB48と置かれた状況は似ています。ポストデフレ時代は、コンテンツ同士の競争が激しくなります。だから、コアなファンだけに頼るのではなく、一般のファンをたくさんスタジアムに呼び込む仕組みを作らなければ、ポストデフレ時代にはそぐわないのです」
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