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【連載】識者同士のプレミア放談「降格寸前…ニューカッスルの惨状はJリーグの反面教師にも」

カテゴリ:ワールド

田邊雅之

2015年05月22日

パーデューからカーバーへの監督交代が迷走の直接的な原因。

「SACK PARDEW(パーデューをクビに)」の一大キャンペーンで、結果的にパーデュー監督を追い出したファンにも責任の一端はあるだろう。 (C) Getty Images

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山中:そう思います。ただし、ちょっと酷な言い方をすれば、前監督のパーデューを追い出したのはサポーターだから、自業自得に近いところもなくはない。
 
田邊:明らかに早まったと思っているでしょう。現役時代に所属していたクリスタル・パレスに戻った後のパーデューは、監督としての評価がうなぎ上りですから。そもそも僕は、パーデューがニューカッスルを追われたことからして疑問だった。
 
山中:パーデューはニューカッスルの監督時代、モウリーニョのチェルシーキラーでしたし。それなのにファンの受けが悪かったのは、オーナーの「操り人形」だったからなんです。選手の放出が続いて戦力がダウンしていっても補強に口を出せず、サッカーの魅力も薄れていった。
 
田邊:守備を固めて大量失点をしないようにしてから、カウンターでチャンスを狙うスタイル。手堅さはあっても華はなかった。
 
山中:だから昨シーズンの後半とか、今シーズンの11月、12月頃のように成績が持ち直すと一時的に評価が上がるんですけど、調子が悪くなってくると、やっぱり「(補強に関して)何もできないお前が悪い」とファンに怒りをぶつけられてしまう。
 
田邊:所詮は雇われ監督だったわけだから、パーデューにしてみれば、俺にそんなことを言われても、という気持ちだったでしょうね。
 
山中:と思います。もちろんチームがここまで迷走した直接の原因が、パーデューからカーバーへの監督交代劇だったのは間違いない。でも中盤や最終ラインから主力選手が抜かれても、クラブ側がきちんとした補強をしてこなかったことが、明らかに遠因になっている。
 
田邊:僕もマネージメントの悪影響は大きいと思いますね。とくにニューカッスルの場合は、一時期、やたらとフランス化が進んだじゃないですか?
 
山中:そう。フランス風に「Le Toon(ル・トゥーン)」とか呼ばれていました。パーデューの発音は「パルデュ」(笑)。
 
田邊:ドゥビュシーだとかキャバイエあたりを獲得した頃は、結構いいところに目をつけるなと感心したんですが、全体的に見るなら、チームとして何がしたいのかが一気にわかりにくくなってきた。
 
山中:型にはまれば強いけど、フィジカルなプレーだけが前面に押し出されるようになりましたし。
 
田邊:そこからさらにめぼしい選手が引き抜かれて、余計に得体の知れない集団になったというのが個人的な印象なんですよね。
 
山中:まさに。フランス化したニューカッスルから、運動量を取った残りが現在のチーム。それに併せてモチベーションと優秀な監督も消えてしまったという。
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