「得点への引き出しを増やし、勝点を重ねたい」
――逆に、福島戦の先制点はYSCCとしては理想的なゴールでした。ゴールを奪う点についてはどういうイメージを持っていますか?
「自分自身は守備の選手だったので、奪う守備からカウンターを仕掛け、相手のウィークポイントを突いてとったこのゴールは理想的な形でした。この3年間のYSCCを引き継いだ形での得点シーンだったので、その手ごたえは感じています。ただ、今シーズンはこれにプラスして『どう違う得点シーンを生むか』を目指しています。なぜならJ3には『つながないチーム』も存在するからです。ショートカウンターが打てない状況のなか、後ろでボールを回収してからどうゴールを演出するかが、私たちの次の課題です。
そこでの引き出しは確実に増やしていかなければ、勝点を重ねられないと自覚しています。一つはサイドからのクロス。サッカーでは大きな得点源の一つですが、私たちはクロスからのゴールがものすごく少ないんです。『クロスの質』『クロスへの入り』『人数のかけ方』、ここは重点的にトレーニングしている部分です。
もう一つはセットプレーです。YSCCはデータ的にセットプレーでの得点が多いのですが、ほとんどが直接フリーキックとPKです。つまり、クロスに合わせるとか、コーナーキックからシュートを打つとかの確率がものすごく低い。昨シーズン途中に一度分析したときには、目を背けたくなるくらいの数値でした。今年のプレシーズンではセットプレーで7ゴールくらいは決めているので向上しています。
例えば、昨シーズンはファウルでカウンターを止められると得点源を消される状態でしたから、セットプレーは勝点を拾っていくために必要ですし、ポゼッションで相手を押し込んだときにサイドを使って得点を奪うところまでには持っていきたいです。どんな相手でも得点源を持っておくことは大事なのかなと思っています」
――監督として3シーズン目になります。結果も求められていると思います。率直にどういう心境でしょうか?
「1シーズン目は割とうまくいった方だと思っています。YSCCはクラブ規模から考えても小さいクラブですし、1シーズン目は13位と後ろに5チームもいました。大成功だったと個人的には判断しています。もっと勝点をとれたところもあるので、ベストかと問われるとそうではありませんが、1年目にしては良かったと。
2シーズン目はそれより上を目指したシーズンでした。コロナの状況もあり、パッとしないシーズンだったように思われがちですが、実は、前期の折り返し(17節終了時点)では過去最高順位の12位だったんです。そこから33節までの16試合で勝つことができずに失速してしまい、17位で終えたことは悔しかったですし、不本意でした。本当に屈辱的な結果でした。
だからこそ、今シーズンは自分にしか取れない順位、勝ち点、個人昇格の人数、選手のレベルアップを結果として残していかないと、監督としても上は目指せないと考えています。崖っぷちだと思っていますし、昨シーズンは『いつクビを切られてもおかしくない状況の中で試行錯誤を繰り返していました』から、拾ってもらった命だと捉えて、今シーズンは結果にこだわりたい。それができなければ、自分にはその実力がないんだと思っていますので、すべてをかけて過去2シーズン以上に細部にこだわって、自分自身が日々成長を実感できるように過ごしています」
「自分自身は守備の選手だったので、奪う守備からカウンターを仕掛け、相手のウィークポイントを突いてとったこのゴールは理想的な形でした。この3年間のYSCCを引き継いだ形での得点シーンだったので、その手ごたえは感じています。ただ、今シーズンはこれにプラスして『どう違う得点シーンを生むか』を目指しています。なぜならJ3には『つながないチーム』も存在するからです。ショートカウンターが打てない状況のなか、後ろでボールを回収してからどうゴールを演出するかが、私たちの次の課題です。
そこでの引き出しは確実に増やしていかなければ、勝点を重ねられないと自覚しています。一つはサイドからのクロス。サッカーでは大きな得点源の一つですが、私たちはクロスからのゴールがものすごく少ないんです。『クロスの質』『クロスへの入り』『人数のかけ方』、ここは重点的にトレーニングしている部分です。
もう一つはセットプレーです。YSCCはデータ的にセットプレーでの得点が多いのですが、ほとんどが直接フリーキックとPKです。つまり、クロスに合わせるとか、コーナーキックからシュートを打つとかの確率がものすごく低い。昨シーズン途中に一度分析したときには、目を背けたくなるくらいの数値でした。今年のプレシーズンではセットプレーで7ゴールくらいは決めているので向上しています。
例えば、昨シーズンはファウルでカウンターを止められると得点源を消される状態でしたから、セットプレーは勝点を拾っていくために必要ですし、ポゼッションで相手を押し込んだときにサイドを使って得点を奪うところまでには持っていきたいです。どんな相手でも得点源を持っておくことは大事なのかなと思っています」
――監督として3シーズン目になります。結果も求められていると思います。率直にどういう心境でしょうか?
「1シーズン目は割とうまくいった方だと思っています。YSCCはクラブ規模から考えても小さいクラブですし、1シーズン目は13位と後ろに5チームもいました。大成功だったと個人的には判断しています。もっと勝点をとれたところもあるので、ベストかと問われるとそうではありませんが、1年目にしては良かったと。
2シーズン目はそれより上を目指したシーズンでした。コロナの状況もあり、パッとしないシーズンだったように思われがちですが、実は、前期の折り返し(17節終了時点)では過去最高順位の12位だったんです。そこから33節までの16試合で勝つことができずに失速してしまい、17位で終えたことは悔しかったですし、不本意でした。本当に屈辱的な結果でした。
だからこそ、今シーズンは自分にしか取れない順位、勝ち点、個人昇格の人数、選手のレベルアップを結果として残していかないと、監督としても上は目指せないと考えています。崖っぷちだと思っていますし、昨シーズンは『いつクビを切られてもおかしくない状況の中で試行錯誤を繰り返していました』から、拾ってもらった命だと捉えて、今シーズンは結果にこだわりたい。それができなければ、自分にはその実力がないんだと思っていますので、すべてをかけて過去2シーズン以上に細部にこだわって、自分自身が日々成長を実感できるように過ごしています」
――この2年間で監督として学んだことは?
「やはり結果がすべての世界です。日常生活を含めて、勝った後のクラブの明るさ、地域の人たちの挨拶の雰囲気は経験した人にしかわかりません。逆に勝てなかったときの寂しさ、孤独感は話には聞いていたけど、実際にそうなってみると『こういうことか』という感覚はあります。
すべての責任を負うのが監督というポジションですから。冷静に考えると勝つのも負けるのも選手次第ですから勝てば彼らを称賛すべきですし、負けてもたたかれるべきは選手なのかもしれませんが、そこが監督の仕事のおもしろいところでもあり、厳しいところなのかなと。勝ったときはたとえ自分の力が0%であっても褒められますし、負けたときは仮に自分に責任がなかったとしても叩かれる世界です。そこの結果のウェイトが私自身は育成色が強い指導者ですから足らなかった点かもしれません。
YSCCはプロリーグに属しているクラブですが、育成色寄りのクラブだと思いますので、そっち寄りの舵取りが割合としては比較的に多かったと過去2年間を振り返って感じています。当然、ずっと育成畑で仕事してきていて自分の中にエッセンスとして根付いてしまっている部分もありますので、今年は一番勝利との狭間の中で葛藤が大きいですが、結果を求めていきたいです。
もちろん育成をないがしろにしているわけではなく、両立としてやっていきますが、結果と育成の五分五分の選択肢があった場合、今シーズンは結果寄りの選択をしなければいけないと思っています。もしかすると40、60(%)の選択肢であっても今シーズンに限っては結果の40を選ばないといけないのかなとも。ここは自分が殻を破らないといけない部分だと捉えていますし、今シーズンは自身にも期待していますし、変えていけるように努力していきたいです」
「やはり結果がすべての世界です。日常生活を含めて、勝った後のクラブの明るさ、地域の人たちの挨拶の雰囲気は経験した人にしかわかりません。逆に勝てなかったときの寂しさ、孤独感は話には聞いていたけど、実際にそうなってみると『こういうことか』という感覚はあります。
すべての責任を負うのが監督というポジションですから。冷静に考えると勝つのも負けるのも選手次第ですから勝てば彼らを称賛すべきですし、負けてもたたかれるべきは選手なのかもしれませんが、そこが監督の仕事のおもしろいところでもあり、厳しいところなのかなと。勝ったときはたとえ自分の力が0%であっても褒められますし、負けたときは仮に自分に責任がなかったとしても叩かれる世界です。そこの結果のウェイトが私自身は育成色が強い指導者ですから足らなかった点かもしれません。
YSCCはプロリーグに属しているクラブですが、育成色寄りのクラブだと思いますので、そっち寄りの舵取りが割合としては比較的に多かったと過去2年間を振り返って感じています。当然、ずっと育成畑で仕事してきていて自分の中にエッセンスとして根付いてしまっている部分もありますので、今年は一番勝利との狭間の中で葛藤が大きいですが、結果を求めていきたいです。
もちろん育成をないがしろにしているわけではなく、両立としてやっていきますが、結果と育成の五分五分の選択肢があった場合、今シーズンは結果寄りの選択をしなければいけないと思っています。もしかすると40、60(%)の選択肢であっても今シーズンに限っては結果の40を選ばないといけないのかなとも。ここは自分が殻を破らないといけない部分だと捉えていますし、今シーズンは自身にも期待していますし、変えていけるように努力していきたいです」